既存店の立て直しが喫緊の課題
関東を中心に地鶏をメインとした居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニーが11月11日に発表した上期決算は、売上高が前年同期比25.7%増収の125.5億円、営業損益が0.4億円の赤字となりました。売上高は前期の積極出店の効果で大幅な増収となりましたが、営業損益は既存店の大幅な前年割れによる利益減(2億円)や海外の新規事業拡大による本部経費増(2億円)などにより赤字となっています。
こうした上期実績を受けてエー・ピーカンパニーでは通期の業績予想を決算発表前日の10日に修正しています。売上高は新規事業の売り上げ増加により242億円から前期比19%増の260億円に上方修正されたものの、営業利益は既存店で前期並みの苦戦が続くとの見方から7億円から前期比66.6%減の2億円に下方修正されています。
地鶏ブーム時に出店した店舗の立地選定が甘かったこともあってブームが沈静化するなか既存店売上高の前年割れが2014年5月から続いています。さらにここにきて低価格指向が強まっていることから塚田農場の平均客単価が3,500円程度と高いこともあって既存店売上高のマイナス幅は拡大傾向にあります。
既存店売上高は2014年3月の前期比5.0%減から2015年3月期には同6.6%減に、そしてこの上期には6.6%減となり下げ止まる兆しがみえません。店舗での人材の育成や強化に加え、新規出店を抑える一方で閉店や客単価2,000円台のやきとり業態への変更も進める計画ですが、店舗の競争力に回復がみられるかどうかを今後確認する必要がありそうです。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券
シニア・マーケットアナリスト
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