最近、支払時に使えるデビットカードが普及してきたようだ。銀行口座を開設する際にも、デビットカードを発行するかどうか尋ねられることもあるし、デビットカードとキャッシュカードが一体になったカードを勧められることも多い。
では、デビットカードとは一体どのようなカードで、どこで利用できるのだろうか。クレジットカードとの違いなども解説する。
デビットカードとは?
デビットカードとは、支払いを銀行口座の預金から行うカードである。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した『我が国におけるキャッシュレス社会の今後の進展に関する調査分析」によると、日本ではクレジットカードや現金に比べてデビットカードの利用率は圧倒的に少ない。一方、アメリカではクレジットカードや小切手と同様の頻度で使用されている。イギリスではクレジットカードや小切手よりもデビットカード決済の件数が多いという。
デビットカードの主な特徴は次の2つである。
デビットカードで決済すると、その時点ですぐに口座から利用額が引き落とされる。支払い回数は一括のみのため、口座に十分な残高がないときは利用できない。
もうひとつの特徴としては、借金をする訳ではないので、提携する金融機関の口座を持ってさえすれば、審査不要で発行してもらうことができ、15歳や16歳でも利用できるものもある。未成年者でも親の同意は不要だ。
クレジットカードとデビットカードの違い
クレジットカードとデビットカードの違いは、主に3つある。
まず、支払い回数を選べるかどうか。クレジットカードは一括払い以外にも2回払いや分割払い、リボルビング払い、ボーナス月払いなどの支払いを選択することができる。これに対し、デビットカードは即時の一括払いのみだ。
次に、決済手続きだが、クレジットカードと同様、専用端末に暗証番号を入力することで本人確認とする。クレジットカードは手書きのサインでもOKだが、デビットカードは基本、端末入力のみのようだ。
また、クレジットカードを発行してもらうと、追加でETCカードももらえるが、デビットカードではETCカードを発行することができない。
デビットカードはどこで使えるの?
デビットカードに記載されているマーク(J-Debit、JCB、VISA)のある加盟店舗やATMで利用することができる。
JCBやVISAのような国際クレジットカードブランドが記されているデビットカードは、海外の加盟店舗でも利用できるうえ、ショッピングセンター、銀行、ホテルなどに設置されているATMでは現地通貨で引き出すこともできる。JCB加盟のデビットカードならJCBかCirrusマークのあるATMで、VISA加盟のデビットカードならVISAかPLUSマークのあるATMで利用可能だ。
国内でデビットカードを利用する際に手数料はかからないが、海外でデビットカードを利用するときはショッピング時もATM利用時も所定の手数料がかかるので注意が必要だ。
デビットカードの使い方は?
前述の加盟店舗で、クレジットカードと同じように現金を持ち出すことなく利用することができる。店員にカードを渡すと専用端末に暗証番号の入力を求められるので、登録した4桁の暗証番号を入力する。
クレジットカードの場合は利用限度額を超えなければ利用できるが、デビットカードは口座残高が不足する場合は利用できない。残高に不安があるときは現金かクレジットカードでの支払いにしよう。