固定資産税,固定資産税 土地
(写真= michaeljung/Shutterstock.com)

マイホームなどの固定資産を所有している方は、土地にかかる固定資産税の評価・計算方法を知り、その評価額や税額が本当に正しいのかどうかを確認してほしい。ひょっとすると、あなたの支払っているその固定資産税額は間違っているかもしれない。


固定資産税とは

固定資産税は、固定資産に対して課せられる地方税である。固定資産税を課するのは市町村(東京都23区内においては都)で、毎年1月1日時点で固定資産を所有している者に、固定資産が所在している市町村より納付通知が送付される賦課課税制度を採用している。

固定資産税の税率には1.4%という標準税率が定められており、基本的に各市町村はこの税率によって固定資産税を決定しているが、財政困難などの状況によっては税率を引き上げることも可能だ。

固定資産税はあくまでも1月1日時点において固定資産を所有している者に対して納税義務の生じる税金であるため、年の中途で売買等によって固定資産を取得した場合には翌年度より課税がなされる。

なお1月1日に取得した場合は当年も納税義務が発生するため、年末年始に購入・取得を検討する場合は注意しよう。

固定資産税の対象になるものとは

固定資産税の対象になるのは、土地や家屋、償却資産などといった固定資産である。

償却資産とは法人や個人事業主が事業を営む上で使用している機械や備品のことで、償却資産に当てはまる(所得の計算などで参入している)固定資産を所有している場合には、これを各市町村へ申告しなければならない。

給与所得者にとって固定資産税は主に土地と家屋に対して課せられる税金だが、個人事業主などは償却資産に対してかかることも忘れてはいけない。

特に取得価額30万円未満の償却資産については損金算入の特例などの制度が設けられているが、この措置は法人税や所得税に関するものであるため、地方税である固定資産税とは分けて考える必要がある。

固定資産税、土地の計算方法

さて、土地にかかる固定資産税は、主に路線価によって求められる。路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のこと。相続税路線価は国税庁(国税局長)が決定し、固定資産税路線価は各市町村(各市町村長)が決定している。

相続税路線価は地価公示価格(国土交通省が公示する価格)の8割を目途に、固定資産税路線価は7割を目途として決定がなされている。相続税路線価は国税庁において、固定資産税路線価は各市町村役場等において確認することができる。

この路線価を用いる評価方式を路線価方式といって、固定資産税に限らず相続税や贈与税の計算でも良く採用されるものであるためぜひ覚えておいてほしい。路線価方式では、次のような計算によって評価額を算出する。

正面路線価 × 各種補正率 × 面積 = 評価額

正面路線価とはその土地に付設された路線価の価額であり、各種補正率とは奥行価格補正率をはじめとした土地の形状に対する補正率のことである。

ここから求められた評価額に標準税率(1.4%)を乗じることで固定資産税は算出できるのだが、実際の課税額はこの計算で求められたものよりもはるかに少ない場合がある。これは、土地の固定資産税には各種減額措置が講じられているためだ。

固定資産税の減額措置を知る

土地にかかる固定資産税の減額措置とは、具体的には次のようなものだ。

・小規模住宅用地

住宅の敷地のうち200平米以下の部分に対しては、評価額が1/6とされる。

・一般住宅用地

住宅の敷地のうち200平米を超える部分に対しては、評価額が1/3とされる。

このほかにも、その宅地に建築された住宅が新築である場合、あるいは耐震・耐火性能などを備えたものである場合には、次のような減額措置も適用される。

・固定資産税の新築住宅の減額

居住部分の床面積が50平米以上280平米以下のものについて、固定資産税額が1/2とされる。

住宅に店舗などが含まれている併用住宅については、居住部分の床面積が全体の1/2以上であること。アパートなどの共同住宅、マンションなどの区分所有の住宅については床面積に共用部分を比例配分して加えること。また貸家である場合は床面積が40平米以上280平米のものについて認められる。

・一定の改修工事を行った場合の固定資産税の減額

一定の改修工事(耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修)を行った場合、一定の割合で固定資産税額が減額される。

固定資産税に納得がいかない場合は

前述のような減額措置を考慮に入れ、もし現在納付している固定資産税が高すぎると感じた場合は、各市町村へこれを申し立てることができる。

固定資産税は賦課課税制度を採用しているため、評価段階の計算が誤っている場合などには所有者(納税義務者)の側からこれを指摘しなければいけない。不当に高すぎる固定資産税を支払ってしまうことのないよう、ぜひ注意深く確認していただきたい。