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(写真=PIXTA)

マンション投資は大きく「区分所有」と「一棟所有」に分けることができます。

区分所有の方が一棟所有よりも金額が少なく、始めやすいでしょう。そこで、区分所有を始めるにあたって抑えておきたい、リスクの内容やそれを回避するための方法について解説します。

区分所有とは

分譲マンションやオフィスビルなどのように、1棟の建物で部屋や店舗・事務所など複数の部分に区分され、それぞれを別個に住居や事務所として利用することができるものが投資対象になります。独立した各区分を所有することを区分所有と言い、所有する権利のことを区分所有権と言います。

区分所有建物で、部屋の中など権利所有者が独占して利用できる部分のこと「専有部分」と言います。対して、廊下やエレベータ、階段といった、それぞれの区分所有者が共同で利用する部分のことを「共用部分」と言います。

分譲マンションの場合、共用部分については、建物全体の合計面積に対して区分所有する面積の割合によって、各所有者で持分を共有することになります。敷地も同様に共有されるため、購入者は区分所有権だけでなく、共有持分権・敷地利用権の3つの権利を持つことになります。

区分所有のリスク

区分所有には、少額の投資で購入できるほか、共有部分の管理が不要・売却しやすいなどのメリットがあります。ですが、所有する部屋数が少ないため、仮に空室が出てしまうと、収入が大幅に減少するというリスクがあります。たとえば、100部屋あるマンションを一棟購入すれば、空室が1部屋でても収入は1%減で済みますが、1部屋しか所有しない場合、収入は0%になってしまいます。

また建物を管理する権限が限定的であるため、何事も1人で決められるというわけではありません。たとえば、共有スペースのリフォームに他の所有者全員の承諾が必要になるほか、自分が所有する部屋だけ家賃を安くすることも難しい場合があるのです。

区分所有のリスクを回避するには

区分所有のリスクを回避する方法としては、首都圏など人口の多いエリアの物件を購入することが挙げられます。地方の物件の場合、その中核として機能する企業動向の影響などを大きく受けますが、人口の多い都市部ではそうした意味での空室リスクを回避しやすくなります。

ファミリータイプではなく、ワンルームタイプのマンションに投資するのも、リスクを回避する方法として有効です。ファミリータイプのマンションは、比較的賃料が高いため高利回りが期待できる一方、借り手がつくまでに時間がかかると言われ、それだけ空室リスクが高くなっているのです。また、単身世帯数が増えつつあるため、ワンルームの需要は今後ますます高くなることが予想されます。

また、新築もしくは築浅マンションに投資することも、リスク回避につながると言えます。古い物件は設備が古いうえ、耐用年数が短くなりますが、新築・築浅マンションならばその心配はあまりしなくても良いでしょう。ほかにも新築・築浅なマンションには、引き渡しから10年間にわたり、基本構造部に欠陥があった場合に保証を受けられる「瑕疵担保責任」が定められていることも、心強いです。

安全な投資策とは

区分所有のリスクをみてきましたが、区分・一棟いずれも一長一短であり、どちらがより安全な投資であるかは、一概には判断が難しいものです。ですが、初期コストや運営の手間の面から考えても、初めて不動産投資に着手するのであれば、区分投資の方がハードルは低いのではないでしょうか。

ただし、もちろん区分所有がより安全であるというわけではありません。管理費や修繕積立金など、カットできないコストがかかるため、空室期間が長かったりすると、資金を回収できないケースも十分に考えられることを理解しておきましょう。(提供: 不動産投資セミナー