篠山氏は75歳、藤代氏は49歳
何でなのか。とても褒めてくれるんですよ。今回の写真集も褒めてくれたんです。でも篠山さんに褒められると、やっぱりうれしい。気持ちがいいですよね」
篠山氏について語る藤代氏はどこかうれしそう。そして篠山氏を「やはり特別な存在」といったときには、本当にうれしそうな顔を見せてくれた。
「不思議と篠山さんのやっていることって『自分もやってみたい』と思わせない。皆そうなのじゃないでしょうか。『これ篠山さんがやっていけばいいよね』って。もちろん、ついていけないんですけど、その前に、ついていく気にさせない。『篠山さんみたいになりたい』とは思えないぐらいの何かがあるんじゃないかな」
篠山氏は75歳、藤代氏は49歳。「篠山さんの歳になったとき、篠山さんのようにヌード写真を撮っているでしょうか?」という問いかけに「まず、写真をやっているのかわからない」と藤代氏はいう。
「20歳代から始めて、いつも、いつになったらやめるのかな、と思いながらやってきて。それで沖縄に移住してからスローダウンして。ジョン・レノンのようにハウスハズバンドをしたくて、いま子どもが10歳ですから、10年間。でも、ジョン・レノンも復帰したということで、また写真を撮っているのですけど。
もし75歳まで写真をやっていたら、どうでしょうね。うーん。それなりのパワーが残っていたら、やりたいですね」
75歳の藤代冥砂の撮るヌード。ぜひ、期待して待ちたいと、そう思います。
次回は、ご自身のモノクロヌード写真集『SKETCHES OF TOKYO』についてお話頂きます。
(第2回へつづく)
藤代冥砂 ふじしろめいさ
写真家・小説家
1967年生まれ。
写真家の五味彬のアシスタントを経て独立。
1995年から1997年にかけて、仕事を一時中断して、世界一周の旅をする。
1999年に初の写真集『ライドライドライド』発表。
以降、手がけた写真集は70冊に及ぶ。
2003年講談社出版文化賞写真賞受賞。
写真集の代表作に『もう、家に帰ろう』『肉』など。
小説に『クレーターと巨乳』『ドライブ』など。
初のモノクロヌード写真集『SKETCHES OF TOKYO』は青幻舎から発売中
特設サイトはこちらから
http://www.seigensha.com/sp/sketchesoftokyo_special/
篠山紀信展『快楽の館』
会場:原美術館
住所:東京都品川区4-7-25
電話:03-3445-0651(代表)
会期:2016年9月3日?2017年1月9日
開場時間:11:00?17:00(水曜日は11:00?20:00/最終入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)・年末年始(12月26日?1月4日)
入場料:一般1100円、大高生700円、原美術館メンバーは無料、20名以上の団体は1名100円引き
http://www.haramuseum.or.jp
取材・文/福田 豊、撮影/岸本咲子(提供: プレミアムジャパン )
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