(写真=プレミアムジャパン)
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新作歌舞伎への取り組みは、まさに獅童さんにとっての使命である。そんな彼が主役を勤めた絵本『あらしのよるに』が初めて歌舞伎化されたのは2015年9月のこと。京都での公演はなかなか難しいとされるなか、京都・南座で上演されたが、口コミの評判が瞬く間に広がり、札止めになるほどの好評を博した。それから約1年。この12月に、東京・歌舞伎座へと舞台を移し、再演することが決まった。歌舞伎役者にとって、ホームグラウンドである舞台で、一つの演目を任されることは大きな仕事。南座よりも舞台が広く、客席も多い。歌舞伎座仕様に創られる『あらしのよるに』は、さらにスケールの大きな作品となることは間違いない。

(写真=プレミアムジャパン)
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『あらしのよるに』は、オオカミのガブとヤギのメイの勇気と友情を描いた物語。敵対関係にあって友達になることを許されるはずもないオオカミとヤギがさまざまな苦難を乗り越えて、絆を深めていく。2002年にNHK教育テレビ(現・Eテレ)で放映された「てれび絵本」で、朗読を担当したのが獅童さんとこの作品との出会いだった。のちに映画でも、獅童さんが主役のがぶの声優を務めている。