いい人が陥りがちな「3つの罠」

ただ、やっかいな人の身勝手な言動を許してしまう「いい人」にも、問題はあります。

フランスの名門貴族、ラ・ロシュフコーは「怒らない寛大さとは、怠惰と虚栄心と恐怖の産物だ」と言っていますが、これはやっかいな人との関係を断れない人にも当てはまります。

それは、断ることを面倒だと感じる怠惰な心、受け入れることでいい人だと思われたい虚栄心、断ることで「あの人は何も引き受けてくれない」と悪口を言われるのではないかという恐怖心。この3つの気持ちから、やっかいな人の身勝手な言動を許し、ずるずると関係を続けているのです。

では、どうすればいいのか。まずは、「相手を知る」ことから始めましょう。なぜ、相手が身勝手な言動を取るのかを理解できなければ、いつまでもやっかいな人に対する恐怖心は消えないからです。

次のページでは、やっかいな人を7つのタイプに分けました。相手がどのタイプかを見極めて理解すれば、相手の身勝手な言動にどう対処すべきかも見えてくるはずです。

もちろん、7つの「やっかい」なタイプによって具体的な対処法は変わってきますが、「いい人」が共通して身につけるべきスキルがあります。それは、「スルーする力」です。

相手の身勝手な言動をいちいち真に受けていては身が持ちません。身を守るには、態度や言葉の使い方が重要になりますが、一番有効なのは、やはり接触する回数を減らすことです。人間関係を絶ち切ることが難しい職場では、なかなかできないかもしれません。しかし、やっかいな人とは直接話さず、なるべくメールのやり取りで済ましたり、行動する時間をずらしたりするといった工夫はできるはず。場合によっては、部署の異動願いを出すのも手です。

ただ、場合によっては相手に直接「NO」を突きつけなければならない場面もあるでしょう。やっかいな人から自分を守るには「勇気」が必要なこともある、ということを覚えておいてください。