「自己中」タイプ
自分が世界の中心でないと気が済まないタイプ。自分を「特別な存在」と認めてほしい承認欲求が強いのが特徴。これは自己愛が強いせいであり、自分の主張が必ず通ると思い込んでいて、他人の提案にはすぐに反対意見を言う。このタイプは「目の前の現実を、自分の見たいように見る」傾向が強く、相手の都合や気持ちに想像が及ばない「想像力ゼロ」タイプとも重なる。
対処法
感謝で毒抜きしつつ、相手に要望を伝える
→「いつもありがとうございます。でも、(要望を伝える)」
「褒め殺し」でいじり倒すことで、プレッシャーをかける
→「すごいね! 同期の中では一番に出世しちゃうね」
「不安を隠せない」タイプ
自信のなさや不安から、自分の価値観の正当性を執拗に訴え、それを相手にも押しつけてくる人。頼んでもいないのに、自分の価値観や経験談を披露し、上から目線で押しつけてくる。不安だからこそ、「自分は絶対正しい」「自分の経験にこそ価値がある」と主張せずにはいられず、それとは異なる考え方や生き方を徹底的に否定し、周囲に毒をばらまいている。
対処法
正面切って憐れむことで、相手を下に見る
→「そんな失礼なことを私に言うあなたがかわいそうだよ」
間の抜けた相づちで、かわす
→「へ~そうなんですね~(内心では憐れむ)」
「感情ダダ漏れ」タイプ
自分の感情を隠さず、機嫌のいいときは親しげに話しかけてくるが、機嫌が悪いときは完全にシャットアウトして、周りに気を遣わせる人。「自分の感情を制御できない」問題を抱えていることが多いが、ときには「相手を選んで、自分の感情を放出している」こともある。つまり、「周囲に感情をぶつけても許されるし、それに対し反応してほしい」と思っている側面が強い。
対処法
内心憐れむことで、下に見る
→「あの人なりに大変なんだろうなぁ。かわいそうに(心の中でつぶやく)」
涼しげに対応して、あしらう
→「お疲れ様。どうぞ勝手にしてください」
「恥知らず」タイプ
とにかく「恥ずかしい」という感覚がない人。自分のお金は極力使わず、とにかく人から借りたもので済まそうとする。あるいは人の厚意を当然のように受け止め、厚かましさを隠そうともしない。その背景には、不景気が続き、お金に対する見栄がなくなってきていることがある。また、自分が持っている物を失うのが怖いという喪失不安も影響していると考えられる。
対処法
最後通牒を出すことで、プレッシャーをかける
→「次は、もうないからね」
リミットを設定することで、自分の都合を理解してもらう
→「明日どうしても必要だから、絶対に返してね」
片田珠美(かただ・たまみ)精神科医
広島県生まれ。精神科医。京都大学非常勤講師。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から分析。『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総ガキ社会』(光文社新書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など著書多数。(取材・構成:前田はるみ)(『
The 21 online
』2016年11月号より)
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