中国,日本人,駐在員,日中関係
(写真=PIXTA)

中国の経済サイト「経済観察網」は、「日本人がやって来た」(日本人来了!)というシンプルな見出しの記事を掲載した。日本人留学生の物語を交えながら、ここ数年の日中経済に触れ近未来の展望をしている。タイトル通り本当に日本人はやって来るのだろうか。

日本人留学生Sの失恋

日本人留学生Sは、今も数年前の夜を思い出す。携帯に突然、中国人男性からの着信があり、いきなりどなり声が耳に飛び込んで来た。

「よく聞け、おれの娘にもう近付くな。殺されないよう気を付けろ」

中国人ガールフレンドの父親からの電話だった。彼はなぜそこまで怒ったのか。

「それはあなたが日本人だから。親戚全員があなたとのとの交際に反対しているの」

これはガールフレンドからの最期の言葉だった。

留学生宿舎のテレビではちょうどそのころ反日デモを放送していた。怒りの波が街道を埋め尽くしていた。Sは交換留学生として北海道の実家と湖南省の大学の間を行き来する生活を続けていた。失恋の痛手は留学期間中には癒えなかった。このころ中国人は日本人を嫌い、日本人の中国人への反感は高まる一方だった。

減少する日本人と事業意欲