ドトール・日レス,星乃珈琲店
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1980年、ドトールコーヒーショップの第1号店が原宿に誕生した。当時のコーヒーといえば喫茶店で「ゆっくり飲む」ものであったが、ドトールの登場により手頃な価格で「さっと飲む」スタイルへと変化した。オフィス街や駅前でコーヒーを「さっと飲む」スタイルは、広く社会に浸透したのである。

そして、2017年、現在のコーヒー業界は「サードウェーブ」の局面にある。この「サードウェーブ」に位置づけられる星乃珈琲店もドトール・日レスホールディングス <3087> の新業態なのだ。

ブルーボトルコーヒーなどの登場で「サードウェーブ」に

世界のコーヒー・トレンドは「セカンドウェーブ」と呼ばれるスターバックスを筆頭とするシアトル系コーヒーの人気が一段落し、「サードウェーブ」の局面にある。日本におけるセカンドウェーブの幕開けは1998年、そしてサードウェーブの幕開けの象徴となったのが、2014年の猿田彦珈琲、2015年の清澄白河のブルーボトルコーヒーだ。

サードウェーブの特徴の一つは、何と言ってもバリスタの「徹底したこだわり」にある。ワインなどの高給嗜好品のように産地や品種、風味などでコーヒー豆を選別し、焙煎や抽出方法へのこだわりも徹底している。また、ラテアートもサードウェーブの特徴の一つといえるだろう。

2007年に誕生したドトール・日レス

ドトール・日レスホールディングスが誕生したのは2007年。ドトールと日本レストランシステムの経営統合で生まれた。

同社は「ドトール」のほか、スパゲティの「五右衛門」、オムライスの「卵と私」、黒毛和牛の「神戸れんが亭」などを経営する外食のリーディング・カンパニーである。

また、ドトールグループではコーヒー形態として、ドトールの他にシアトル系に分類される「エクセルシオール」も展開している。日本レストランシステムグループでは「星乃珈琲店」をサードウェーブ系のブランドとして力をいれ始めている。

株価は昨年来高値を更新したが…

ドトール・日レスホールディングスの株価を見てみよう。同社の株価は1月12日に2218円と昨年来高値を更新した。この日の上昇は、翌13日発表の2017年3月期・第3四半期決算を期待しての買いが先行したためと見られる。

ちなみに、同社が昨年10月14日に発表した2017年3月期中間決算では、本業の利益を示す営業利益が13.7%増の好決算で、同時に配当を2円増配して30円にすることも発表。翌17日に同社の株価は2052円の144円高(7.5%高)と急騰した経緯がある。先の1月12日の上昇もポジティブサプライズが出るとの期待が先行したためなのだろう。

そうした中、翌1月13日発表の第3四半期決算の営業利益は13.1%増となった。決して悪い数字ではないが想定の範囲内だったほか、期待された通期上方修正などのサプライズもなかったため、翌16日の株価は2134円(終値)に値下がりしたのである。

サードウェーブの競争も激化しそう

決算短信を見ると、ドトールコーヒーグループのセグメント売上は589億円(0.1%増)、営業利益は35億円(10.1%増)。これに対し、星乃珈琲店を経営している日本レストランシステムグループのセグメント売上は311億円(4.9%増)、営業利益は41億円(12.2%増)で同グループのほうが好調だった。

利益率も日本レストランシステムのほうが高い。両セグメントとも店舗形態が多様化しているため、単純に判断する訳にはいかないが、「さっと飲むコーヒー市場」をコンビニに奪われたコーヒーチェーン店は、採算も高いサードウェーブにシフトしている可能性がある。つまり、「ゆっくり飲むコーヒー市場」への回帰が着々と進み始めたと考えられる。

ハンドドリップで淹れるコーヒーではないが、コメダホールディングス <3543> のコメダ珈琲店も、郊外型の「フルサービス型コーヒー店」としてサードウェーブに分類される。セブン&アイ・ホールディングス <3382> も「白ヤギ珈琲店」ブランドでサードウェーブへの参入を開始した。ゆっくり飲むコーヒー市場である「サードウェーブ」の競争も激化しそうな情勢だ。

平田和生 (ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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