第3四半期は減収減益
エービーシー・マートが10日に発表した第3四半期(2016年3-11月期)の決算は、売上高が前年同期比0.8%増、営業利益が同2.3%減となり、営業利益は上期(3-8月期)までの増益から減益に転じました。これは第1四半期(3-5月期)こそ8%近い増益となり順調なスタートを切ったものの、第2四半期(6-8月期)に続いて第3四半期(9-11月期)も減益となったためで、第3四半期の減益幅は前年同期比10.2%減と第2四半期の8.5%減から拡大しています。
第3四半期は売上高も減収に転じています。第1四半期に前年同期比4.5%増だった売上高は、第2四半期にほぼ横ばいになると、第3四半期は2.6%減となっています。これは円高の影響で韓国を中心に海外事業が減収となるなか、国内の既存店売上高が台風上陸や曜日並びの影響、客単価の低下などで小幅なマイナスとなったことで国内事業の売上高も低い伸びに止まったためです。
通期予想は売上高、営業利益とも据え置きとなりました。その結果、第4四半期(2016年12月-2017年2月期)の売上高は前年同期比1.6%増収、営業利益は同15.0%増益が必要で、第3四半期から一転して増収増益が求められます。その第4四半期のスタートとなる昨年12月の既存店売上高は前年同期比で3.9%増と順調でした。通期計画達成に向けて1月、2月も堅調なトップラインを維持できるかがポイントとなりそうです。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券
シニア・マーケットアナリスト
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