大手メガ損保3社の海外展開の現状
2011年7月に日本経済新聞が公開したデータによると、大手国内損保の海外展開における事業収益は約7421億円となっており2000年代前半から比較すると約8割増しの規模に成長しています。また、今後も海外展開における事業収入は拡大する見込みとされています。海外展開のマーケットシェアに関しては国内損保第1位のMS&ADインシュアランスグループホールディングスがアジアに大きく進出する形となっており、第2位の東京海上は北米を中心にマーケットを広げています。しかし、NKSJホールディングスはアジアを中心にシェアを伸ばしてはいるものの海外事業収益を東京海上と比較してみるとその額は約8%程度の300億円にとどまっており、日本国内のメガ損保3社の中では大きく出遅れている形となっています。
損保業界はグローバル化が最も求められる市場
国内市場の低迷や外資保険会社の参入により国内損保企業の経営はますます厳しくなってくる傾向があります。そのため損保業界はグローバル人材の雇用と教育が必須となっており積極的に海外を視野に入れた展開を強いられることになるでしょう。さらに国内においても手は抜けません。現在の国内損保市場には外資保険会社が多く参入しており、インターネットを活用したダイレクトマーケティングやテレマーケティングなどのレバレッジの効く営業手法をもとに顧客獲得シェアを伸ばしています。昔ながらの国内損保は代理店経由での販売をメインとしており保険料も高額です。よって現在の国内損保は海外展開と同時に国内の営業チャネルや商品を見直さなければいけないという状態にあり、まさに正念場と言えるでしょう。