資産運用といえば、株式や投資信託を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それ以外に思い浮かぶ運用商品を挙げればきりがありませんが、「不動産」を挙げる方もいるでしょう。ここでは運用商品にどういったものがあるのかを簡単に触れ、特に不動産投資について解説をしていきたいと思います。
資産運用の種類とは
資産運用の種類はさまざまです。いろいろな分け方がありますが、ここではリスクとリターンの関係から資産運用の種類を捉えていきましょう。
よくいわれるのが、リスク(変動)とリターン(利益)は正比例の関係にあるということです。例えば、普通預金は元本1,000万円とその利息までであれば保証があります。そのため、リスクはこの保護される範囲内であれば、ないことになります。その代わり、リターンとなる利息はわずかしかもらえません。
債券は期限がきたら元本が返済されます。信用できる企業や国であれば、元本が返済される可能性は高いといえます。ただし、必ず戻ってくるという保証はありません。そのため商品によって幅はありますが、預金よりはリターン(利息)は大きくなることが多いです。
一方、株式は、リスクは大きいものの、買うタイミングや銘柄によっては大きなリターンを見込める場合もあるといえます。株式投資信託は複数の株式に投資することで、個別株式よりリスクは低くなるものの、リターンは個別株式に比べると小さくなる傾向があります。
このようにリスクとリターンの関係でわけた場合、普通預金がもっともリスクが低くリターンも小さいといえます。リスクの程度で見た場合、普通預金<債券<株式投信<個別株式といった順に大きくなります。これは、リターンも大きくなる可能性があることを示します。
不動産投資とその他との比較
それでは不動産投資はどうでしょうか。不動産投資は「ミドルリスク、ミドルリターン」に分類され、債券と株式の中間といわれます。不動産投資は空室にならなければ、毎月まとまった収入を得ることができます。株式などの投資でも売買益(キャピタルゲイン)、配当益や優待など保有しているだけで入ってくる収益(インカムゲイン)の2種類がありますが、家賃収入はインカムゲインにあたり、株式などに比べるとインカムゲインが収益の中で比重が高くなっています。このため、「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれるのです。
一方で、不動産のインカムゲインとキャピタルゲインは、不動産自体の劣化が大きく影響するため、時間の経過には抗えません。もちろん、土地はそこまで大きく値崩れしないので、価格変動には耐えやすいものですが、建物部分とセットで考えるならば、必ずしも価格変動に強い資産とはいえません。そのため、定期的な修繕などのメンテナンスが重要になります。
不動産投資のコツ、物件選び
資産運用における不動産活用は、一概に正解や不正解とくくれるものではなく、以下のような不動産投資のコツをつかんでいるかどうかによって、左右される部分もあるといえます。
1つ目のコツは「物件選び」で、入居者となる方が借りたいと思うような物件であるかどうかがポイントです。駅から徒歩3分で周りにスーパーや飲食店がある物件は活気があり、借りたいニーズは強いといえます。投資額に固執してニーズを読み誤ることなく、空室を生じさせずに安定的に家賃収入を得ることがポイントです。
不動産投資のコツ、資金繰り
2つ目のコツは「資金繰り」です。不動産投資ではリターンを大きくするため、一般的には借り入れを行い、その資金をもとに投資を行います。ただし、借り入れの比率や金利が高い場合には、入ってくる家賃収入よりも毎月の返済金額の方が大きくなる可能性があります。これでは赤字となるため、他の生活資金などへの悪影響が出かねません。
そのため、不動産投資による毎月の収支バランスを考慮しつつ、頭金がどのくらい必要なのか考えることと、他の資金繰りに影響を与えないかどうかをシミュレーションすることが重要になります。
不動産投資のコツ、契約
3つ目のコツ、「契約」についても注意しましょう。不動産の売買契約を行う際の書類には、重要事項説明書があります。これはその不動産の重要な内容が記載されており、現在の問題点や今後の問題となり得る可能性がある点が網羅されています。
内容をしっかり理解したうえで契約を行っているのであればよいですが、よくわからないまま契約を結んだ場合には、あとで後悔のもととなる可能性もあるのです。そのため、契約書や重要事項説明書はくまなく理解し、のちのち想定外の状況を招くものがないかどうか確認すべきです。
不動産投資はコツをつかめば資産運用でも強い味方となる
上記のようなコツをしっかりつかんで不動産投資を行うことができれば、不動産投資はむしろ資産運用において強い味方となることでしょう。
そのためには、ご自身で不動産投資の勉強をされることと、プロによる目利きをしてもらうことが必要です。自身の疑問に真摯に答えて、助言をしてくれるアドバイザーを見つけましょう。