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(写真=Tupungato/Shutterstock.com)

資産運用の鉄則は分散投資だ。分散投資は、時間を分散する方法と、保有資産を分散する方法に大別できる。保有資産の分散を行うためには、異なる地域の資産を持つことが重要だ。そのような理由から、海外資産への投資の重要性が叫ばれて久しい。

海外資産への投資目的には、大きく分けて2つ、「金融資産としての投資」と「実物資産としての投資」が存在する。実物資産への投資の代表的なものとして挙げられるのが海外不動産だ。海外不動産投資の種類には大きく分けて、戸建て住宅、コンドミニアム、ホテルがある。具体的に海外不動産の種類の違いと特徴を見てみよう。

海外不動産投資の主な種類とは

海外不動産投資をする際に理解しておきたい「戸建て住宅」「コンドミニアム」「ホテル」のそれぞれの特徴について解説する。

1.戸建て住宅

海外の戸建て住宅も一般的に、日本と同様、物件のメンテナンスを自分で行う必要がある。国や地域により差はあるが、米国では新築、中古問わず戸建て住宅の流通市場は大きく、流動性は高いといえる。日本と比べて建物の価値が下がりにくいため、将来的にキャピタルゲインを狙える可能性もある。しかし、外国人に対して土地付き住宅の購入や所有権を認めていない国もあり、今後、高度成長が見込める東南アジア諸国の中には、購入制限を設けている国もあるため注意が必要だ。例えば、インドネシアは国民にのみ不動産所有権を認めている。

2.コンドミニアム(分譲マンション)

コンドミニアムとは一般的に、日本でいう分譲マンションのことを指す。日本の分譲マンションに管理費があるように、コンドミニアムはメンテナンスの固定費がかかる一方、共用部分の管理は管理会社に委任するのが基本である。外国人による戸建て住宅の購入が認められていない国でも、コンドミニアムを購入することは可能な場合がある。コンドミニアムしか購入できない国では、住宅規模や地域の違いなどによる需要の見極めが重要となる。

コンドミニアムといっても、国によっては日本の分譲マンションとは異なる場合がある。例えば、タイのコンドミニアムはプールやサウナ、フィットネスといった設備が備わっており、テニスコートなどが付いているコンドミニアムもある。また、物件によっては冷蔵庫や洗濯機等の家具・家電が付いているものもある。

3.ホテル

ホテルはホテルレジデンスとも呼ばれ、ホテルの1室をコンドミニアムのように分譲で購入し、自身が滞在しないときに一般客に貸し出すことで利益を得られる。ホテルの運営会社が宿泊者の募集から接客に至るまで行うため、戸建てやコンドミニアムよりも手がかからないといえそうだ。購入エリアが、自身が訪れる回数が多かったり、好きな地域であったりする場合、宿泊の権利も行使できることは魅力的なメリットだろう。その一方で、観光地では任期シーズンに季節性があることが多く、空室率の変動の大きさには注意が必要だ。なお、賃貸収入はホテル運営会社によって管理され、毎月レポートが届くことが多いようだ。

国による違いを把握して海外不動産投資を

海外不動産投資の種類として、戸建て住宅、コンドミニアム、ホテルを見てきた。国によって購入可否や、需要の高低があり、総合的にどの国のどのタイプに投資するかを決定しなければならない。一定年収を条件とする国もあれば、マレーシアのように最長期間35年でローン終了時に65歳未満であれば外国人でもローンを組める国もある。

海外不動産投資の種類には、他に小規模集合住宅や商業物件などもある。ハワイなどのように日本人になじみのある国や地域であれば、需要の高い時期や人気のある場所の把握がしやすい。手順としては国や地域の治安、国による不動産権利の違い、住宅ローンの利用可否、税制の確認をすることが重要だ。その後、海外不動産投資の種類ごとの特徴をもとに、どのような物件に投資するかを検討すると良いだろう。(提供: みんなの投資online

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