インフルエンザ,関連銘柄
(写真=PIXTA)

今年の冬もインフルエンザが猛威を振るっている。厚生労働省が発表しているインフルエンザ発生状況によると、今シーズンのインフルエンザは流行入りが例年より早く、2016年第46週(11月14~20日)の段階で流行入りしたと発表があった。

厚生労働省が2月17日に発表した最新のインフルエンザ発生状況によると、今シーズンのインフルエンザによる推計受診者数は1098万人と1000万人を超えている。直近のインフルエンザウイルスの検出状況はAH3亜型が最も多く、次いでB型、AH1pdm09の順だった。

インフルエンザ予防に注意を払いたいが、株式市場のインフルエンザ関連銘柄にも注意を払いたいところだ。そこで今回はインフルエンザ関連銘柄を紹介する。

インフルエンザ関連銘柄 マスク編

インフルエンザにならないためにまず行動すべきことが予防だ。まずは予防に適しているマスクを製造している銘柄を紹介する。

1. ダイワボウHD <3107>
紡績大手のダイワボウHDでは、4層構造の多機能マスク「プルシアンガード」を製造している。この商品はウイルスを含む飛沫(3マイクロメートル以上)を99%カットすることが可能だ。このほかにもダニ・花粉のアレルゲンを吸着・分解する素材を使用し、抗菌や防臭・消臭などの効果もある。

2. シキボウ <3109>
紡績の名門シキボウでは、ウイルス対策用の「フルテクトマスク」を製造している。このマスクは独立行政法人と同社の共同研究で開発した、繊維に付着したウイルスの働きを抑制する「フルテクト」繊維を使用している。

3. ユニ・チャーム <8113>
生理用品や紙おむつでトップシェアを誇るユニ・チャームでは、隙間ができにくい「超立体マスク」を製造している。3層構造の高密度フィルタや立体的なマスクの構造により、ウイルス飛沫や花粉の侵入を遮断する商品だ。

4. 倉敷紡績 <3106>
綿紡大手である倉敷紡績(クラボウ)では抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」を活用した繊維素材を量産している。インフルエンザウイルスなどの不活化が可能な「Etak(イータック)」という固定化消毒成分が「クレンゼ」に利用されており、インフルエンザウイルス対策に有効的な商品となっている。

インフルエンザ関連銘柄 空気清浄器編

インフルエンザの予防はマスクだけでなく、空気清浄機によってウイルスを防ぐという手もある。次は空気清浄器に強みをもつ銘柄を紹介する。

5. ダイキン工業 <6367>
エアコン世界首位のダイキン工業では、利用するシーンに合わせた数多くのタイプの空気清浄器を発売している。ダイキンの空気清浄器を使うことにより、浮遊ウイルスや付着ウイルスが抑制できるとの試験結果も同社から発表されている。

6. シャープ <6753>
液晶パネルや白モノ家電を展開する電機大手のシャープでは、空気清浄器「プラズマクラスター」ブランドを展開している。「プラズマクラスター」では浮遊ウイルス、付着ウイルスの作用を抑えることができる。

同社では空気清浄器以外にもエアコン、洗濯機、冷蔵庫、扇風機、掃除機、乾燥器、ドライヤーなど幅広い商品に「プラズマクラスター」の機能を搭載している。

インフルエンザ関連銘柄 試薬編

予防していても、インフルエンザにかかる可能性はゼロではない。もしインフルエンザかもしれないと思った場合は、速やかに最寄りの医療機関を受診しなければならない。その際に、インフルエンザかどうかを見極める方法として試薬がある。次はインフルエンザの試薬に関連する銘柄を紹介する。

7. デンカ <4061>
特殊合成ゴムや機能樹脂などを生産しているデンカでは、子会社のデンカ生研でインフルエンザ検査試薬を生産している。試薬以外にもインフルエンザワクチンの製造も手掛ける。

8. カイノス <4556>
臨床検査薬の中堅メーカー・カイノスでは、ニチレイバイオサイエンスと共同開発したインフルエンザウイルス検出試薬を販売している。

9. ミズホメディー <4595>
感染症抗体やホルモンなどの体外検査用医薬品が主たる事業のミズホメディーでは、陽性判定が5分から可能なインフルエンザウイルスキットを発売している。検査時の痛みを和らげるため、スポンジタイプの柔らかいスワブを採用しているのも特徴の一つだ。

インフルエンザ関連銘柄 治療薬編

インフルエンザになってしまった際に、お世話になるのがインフルエンザ治療薬だ。次は治療薬を製造している関連銘柄を紹介する。

10. 中外製薬 <4519>
抗がん剤が主力の医薬品大手である中外製薬では、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」の製造をおこなっている。

11. ペプチドリーム <4587>
現在、抗インフルエンザウイルス薬として有名な「タミフル」や「リレンザ」に次ぐ薬の開発に取り組んでいるのがペプチドリームだ。同社は新しい抗インフルエンザ薬「PD-001」を開発中で、現在は前臨床試験を開始している。

今回はインフルエンザ関連銘柄を紹介したが、これらの銘柄の多くはノロウイルスや花粉症などの関連銘柄と重複していることも多い。インフルエンザはもちろんだが、それ以外の観点からみても注目に値する銘柄が多いのではないだろうか。(ZUU online 編集部)