ベンチャー企業のロイロは、同社製品を模倣したとしてベネッセコーポレーションを相手取り、岡山地方裁判所に訴訟を提起したと発表した。模倣により生じた損害の賠償を求め、金額は1600万円。ロイロはベネッセコーポレーションに通知を行ってきたが、改善が無い為、訴訟提起に踏み切ったという。ベネッセコーポレーションの広報担当者は今回の報道を受け、「オクリンクがロイロノート・スクールを模倣している事実はない。訴状が届いていない為、これ以上のコメントは控えたい」という声明を出している。

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ロイロノート(画像=ロイロWebサイトより)

「ロイロノート・スクール」はタブレット用授業支援アプリ

ロイロは教育支援アプリの開発・販売を行うベンチャー企業であり、横浜に本社を置く。同社製品である「ロイロノート・スクール」にベネッセコーポレーションの販売する「オクリンク」が酷似していると主張している。

「ロイロノート・スクール」はタブレット用授業支援アプリで、自分の考えをカードにし、それらをつなげていく事で、思考の整理や発表に役立つ。シンプルで直観的な操作性が特徴である。2014年には日本e-Learning大賞で総務大臣賞を受賞し、2016年度には全国500校以上の学校で導入された実績があると同社は公表している。

一方の「オクリンク」はベネッセコーポレーションが発売する「ミライシード」のオプション製品として販売されている。ロイロの主張によると、カードを使用する点や、各種機能、画面構成が酷似しているという。「ロイロノート・スクール」の2014年4月発売に対し、「オクリンク」は2016年4月の発売である。

単なる「類似」か「模倣(パクリ)」であるか

「模倣」いわゆるパクリに対する判断は非常に難しく、明確な線引きはない。類似の訴訟では、2013年4月に判決が出たグリー <3632> とディー・エヌ・エー <2432> が釣りゲームの著作権で争ったケースが参考となる。

2009年にグリーが釣りゲームの操作画面や操作性が酷似しているとして、ディー・エヌ・エーを相手取って起こした訴訟である。一審のグリー勝訴を覆し、二審のディー・エヌ・エー勝訴で確定した。同訴訟では、著作権法で保護されるのは「独創的な表現」であり、「アイデア」や「ありきたりな表現」は保護されないとし、釣りゲームの類似に著作権侵害は無かったとされた。

今回のロイロとベネッセコーポレーションを巡る訴訟でも、どこまでが「独創的表現」でどこからが「アイデア」であるかが争点となる。今後同様の争いが起こった際のモデルケースとなる可能性もあり、注目される。

ベネッセコーポレーションにとっても重要な訴訟である。請求されている損害賠償金額は1600万円程度であるが、「パクリ」のイメージが付く事は何としても避けたいはずである。教育事業は特にブランドイメージが大切であり、判断が今後の事業展開に大きく影響しそうだ。(ZUU online編集部)

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