USJが東証1部への上場検討
7月9日、大阪市の米映画テーマパークである「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営する「ユー・エス・ジェイ(USJ)」が、来年度にも東京証券取引所第1部に上場する事を検討し始めている事が明らかになりました。これは、数年以内に九州や沖縄に新しいテーマパークを建設する資金調達が目的であると見られています。USJは大阪市などが出資する第三セクターとして開業し、2007年にも東証マザーズに上場したことがありますが、2009年に上場を廃止しています。
このときは入場者数が伸び悩んだことと、リーマン・ショックによる株価低迷があったためとされています。その後同社は、米金融大手のゴールドマン・サックス傘下となり、経営の再建を行ってきました。そして、7月15日に映画「ハリー・ポッター」のエリアを新規にオープンすることで、来場者数の増加を見込んでおり、その結果を見極めた上で再上場を実施することを検討するとしています。
上場はハリー・ポッターの人気次第?
USJは、2013年度の来場者数が1050万人となり業績が回復しており、新たなテーマパークを建設して事業を拡大することを検討しています。 さらに7月15日にオープンした「ハリー・ポッター」エリアの成果を、再上場の判断基準にするとしています。「ハリー・ポッター」エリアには約450億円に上る投資をしており、再上場についてはゴールドマン・サックスの意向も反映させるとのことです。USJは、「ハリー・ポッター」エリアのオープンが、来場者数を年間200万人程度上乗せするであろうと見込んでいます。
上場で調達した資金の使い道
前述しました通り、USJが検討している再上場の目的は、新しいテーマパークの建設などの事業拡大のための資金調達が目的とされています。では新しいテーマパークは何処に建設されるのかということについては、国内外に数カ所の候補地を検討しているとのことです。また、テーマパーク以外のエンターテインメント事業も検討しており、さらにはカジノを中核としたIR(統合型リゾート)への参入意欲も示しています。そのため、数千億円規模の資金を調達する必要が生じる見込みです。そこで次に、現在見込まれている新しいテーマパークが何処に建設されるのか、見てみましょう。