ボーナスの支給額は、生活費やローンの支払いなどに直接関係していきます。他の人がいくらもらっているのか気になるのではないでしょうか。管理側としても、予算や支給額を考えるにあたって、他業種の金額は参考になります。経団連が調査した、業種別ボーナスを紹介します。

大手全体は横ばい

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(写真=Melpomene/Shutterstock.com)

一般社団法人日本経済団体連合会(以後、経団連)は、「2016年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)」を発表しています。調査対象は従業員500人以上の東証一部上場企業で、主要業種の大手251社です。2016年末の総平均は前年比0.02%増と、ほぼ横ばいです。

業種別にみると、非常に差が激しくなっています。アンケートの都合上、回答が1社のみだった業種の数字は公表されていないため除かれています。ただし平均値には含まれます。

上位ベスト3、前年比10%以上増えた業種もある

最も増えたのは、食品で前年比12.27%増であり、妥結額は105万5,751円となっています。2015年は前年比5.2%増であり順調に増加しています。

食品業界では何が起こったのでしょうか。一例を挙げます。食品大手サントリー食品インターナショナルは、賞与引当金、売上高、純利益が前年より増加していますが、食品業界全体についての記述は特になく、ブランド力の強化やヒット商品のような企業努力が実を結んだということが強調されています。

次いで増えたのはホテルで、前年比8.07%増、3位は科学で前年比7.83%増となっています。一部の業種では非常に大きく増加していることがわかります。

下位ワースト3、落ち込み幅は大きい

最も減ったのは鉄鋼業で、前年比14.65%減でした。2015年は6.27%増であることを考えると浮き沈みが激しい業界と考えられます。下記に一例を挙げます。

鉄鋼業国内大手の新日鉄住金4月~12月の決算を見てみます。四半期売上高は減少、営業利益・純利益は半分以下になっていました。製鉄の国内需要は第1四半期(4~6月)を底として回復基調にあるということなので、夏季のボーナスは期待したいところです。

2番目に減ったのが造船で前年比3.52%減、3番目は非鉄・金属で2.14%減です。

全体の傾向を比較すると

昨年はセメントと私鉄を除く全ての業種で1~6%台の上昇を見せており、全業種平均も3.79%増と全体的に好調でした。今回は8業種が増加、6業種が減少しています。前述の通り、上位と下位の差は非常に大きいものとなっています。

最上位と最下位の差が20%を超えたのは2010年以来です。この調査は対象企業の数が少ないので、1社の増減が結果に影響しやすくなっていますが、今回は特にばらつきが大きいといえます。

業績との比較でわかること

調査の対象は全て東証一部上場企業とかなりかたよっているため、自社との単純な比較は難しいでしょう。

今回、個別に取り上げた会社の業績はたまたまその業種のボーナス平均の増減に近いかたちで推移していました。ほか数社の決算をみてみると、やはりボーナスが増えている業種は業績も比較的好調で、業績が厳しい会社が多い業種はボーナスも減額傾向にあります。会社の業績とボーナスは連動する傾向がみられます。

ボーナスを増やすには、自分にできることをコツコツと

東証一部上場企業の2016年末ボーナスは前年と比較して変動が大きく、業種間の差も非常に大きいものでした。増加傾向にある業種は売上や利益が増えている企業が多く、賃金を増やすためには、会社の業績を伸ばす必要があることを確認させられます。

収入を増やしたければ、コツコツと会社に貢献することが近道かもしれません。(提供: フクリ!

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