ゴールデンウィークや夏休み、年末年始等、長期休暇を利用して海外旅行に出掛ける人も多い。JTBが行った調査「2017年ゴールデンウィーク(4/25~5/5)の旅行動向」によると、2017年のゴールデンウィークを利用して、海外旅行に出掛けた旅行者数は前年比1.2%増と増加したとのこと。

長期休暇が取りやすい日程だったことに加え、一時期に比べれば、為替市場で円高が進行したことも、海外旅行に出掛ける人が増えた要因の一つと言えそうだ。

クレジットカードの普及や、ビットコイン等の仮想通貨の登場によって、決済手段も多岐にわたるが、海外旅行となると多少の現金は必要だ。海外旅行を機に外貨投資に興味を持った方もいるのではないだろうか。

「外貨投資」のリスクとは? 為替変動に注意

外貨投資
(写真=PIXTA)

外貨投資とは文字通り、外貨建ての金融商品に投資すること。投資できる通貨は、米ドルやユーロといった主要通貨をはじめ、英ポンドやカナダドル、豪ドル、NZドル等が多様だ。

日本では2016年2月からマイナス金利政策が導入されて以降、未曽有の低金利状態が続いている。普通預金金利は0.001%とまで低下し、ほぼゼロの状況だ。一方、海外の金融商品に目を向けると、0.2%程度から6%を超えるものまで様々だ。外貨建て金融商品の高金利に驚いた経験がある人も多いのではないだろうか。

ただし外貨投資の損益は、金利だけで決まるわけではない。外貨に投資すれば、投資した時から売却するまで為替レートは絶えず変動している。金利は外貨ベースでの数値のため、損益も常に変動している。金利がどんなに高くても、為替相場の動き次第では、金利収入以上に為替レートが変動し、為替の変動次第では損失を被る場合もある。これを為替変動リスクと言う。

リスクで考える外貨建て金融商品

外貨建ての金融商品としては、外貨預金、外貨MMF、外国債券、外貨建て投資信託、外国株(ETF)、FX(外国為替証拠金取引)がある。大雑把にではあるが、金融商品のリスクに応じて分けてみた。

(1)ローリスク・ローリターン:外貨預金、外貨MMF
(2)ミドルリスク・ミドルリターン:外国債券、外貨建て投資信託
(3)ハイリスク・ハイリターン:外国株(海外ETF)、FX(外国為替証拠金取引)

それぞれを順に見ていこう。

(1)ローリスク・ローリターン

◯外貨預金
外貨預金とは、円預金を外貨に換えた預金のこと。期間の定めがない「外貨普通預金」と、期間が定められている「外貨定期預金」がある。

預入金額や期間によって、定期預金の方が金利が高く設定されているのが一般的だ。1万円程度の少額資金から投資できるが、取引手数料は米ドルの場合で、買い(売り)の片道、各1円程度が多い。取引手数料の安い金融機関や、金利の優遇キャンペーン等を利用するとお得になる。なお、預金ではあるが外貨預金は預金保険制度の対象外。

◯外貨MMF
外貨MMFとは外国投信の一つで、1万円程度から投資が可能。外貨預金に比べると金利が高い場合が多い。外貨預金と異なり、運用利回りは運用実績で決まる実績分配方式という点。分配金は毎月末税引後に自動的に再投資されるため、1ヶ月単位で複利効果が期待できる。取引手数料は外貨預金よりも割安で、米ドルの場合で買い(売り)の往復で1円程度が多い。

どちらも、為替レートは金融機関によって更新頻度が異なるため、できるだけ更新頻度が多く(リアルタイム)、取引手数料金融機関を選びたい。

(2)ミドルリスク・ミドルリターン

◯外国債券
外国債券とは、外国通貨で発行される債券のこと。あらかじめ決められた償還日に投資家にお金を返すことが約束されているので、中長期での運用に適してる。

利金として利子が定期的に支払われるが、為替相場の動き次第で利金も変動するため、利回りが確定されているわけではない。投資金額は数十万円程度と、ある程度まとまった金額が必要になる場合が一般的。取引手数料は米ドルの場合で、買い(売り)の往復で50銭程度が多い。

◯外貨建て投資信託
外貨建て投資信託とは文字通り、投資対象が外国の金融商品になった外貨建ての投資信託のこと。1万円程度と少額からの投資が可能。購入する際に「販売手数料」、運用管理に「信託報酬」がかかり、外貨建て投資信託の手数料は国内に投資する投資信託よりも高めに設定されている。

為替変動リスクを回避をするために事前に為替注文を予約しておく「為替ヘッジ有」の投資信託もあるが、ヘッジコストがかかる分だけ手数料は割高になる。

(3)ハイリスク・ハイリターン

◯外国株式(海外ETF)
外国株式は、海外(外国籍)の企業が発行する株式に投資すること。海外ETFは、海外に上場するETF(上場投資信託)に投資すること。

外国株式の場合は個別株の選別を行わなければならないので、株価指数に投資できる海外ETFの方がわかりやすいと言える。例えば、米国株では1万円程度から投資できるので、少額での投資が可能だ。最近では、インターネットで直接取引できる証券会社もある。取引する際には売買手数料がかかるので、事前に金額は確認しておきたい。

◯FX(外国為替保証金取引)
FXは、円を売って米ドルやユーロを買う等、外国通貨を売買する取引のこと。

証拠金取引のためバレッジ効果(てこの原理)があり、投資金額以上の取引ができる。利益を大きくできる反面、損失も大きくなる。為替の変動幅で儲ける方法と、通貨の金利差(スワップポイント)で儲ける方法とがある。株式投資の信用取引のように、通貨を買う、通貨を売るという「売り・買い」の両方の取引が利用できる点が、外貨預金等とは仕組みが異なる。一般的に、5万円程度から取引できる。

高金利が魅力の外貨投資だが、金利が高いということは、その国の景気がいいから金利が高い場合もあれば、国内情勢が不安定だから外貨を獲得するために金利が高い場合もある。後者であれば、金利以上に為替変動リスクが発生する場合もあり、為替差損を被る場合もある。なぜ金利が高いのか、投資対象国の政治や経済等総合的に調査した上で投資の判断を下したい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

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