個人向けの無担保ローンは、テレビで盛んにCMが流れているように、銀行、信用金庫からノンバンクに至るまで積極的な利用拡大が図られています。無担保ローンは安定した収入が見込めるサラリーマンなどの給与所得者が対象となっていますが、それに比べて収入の安定性に欠ける個人事業主が、資金を借り入れるのは大変です。今回は個人事業主が資金繰りに活用できる金融機関をそれぞれご紹介します。

個人事業主の資金繰りに銀行融資を選ぶ

choice
(写真=alphaspirit/Shutterstock.com)

個人事業主が資金繰りを目的として資金を借り入れるときにおすすめする銀行は、公的金融機関の代表である日本政策金融公庫です。小規模事業者などを対象として、国金(こっきん)の名で親しまれた国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫の業務を引き継ぎ、日本政策金融公庫になっています。4,800万円以内の借り入れ申し込みなら、国民生活事業の普通貸付があります。この融資は運転資金から設備投資などまで用途は幅広く設定されています。このほか、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)や新規開業資金(新企業育成貸付)など利用対象者を明確にした融資もあります。

個人事業主の資金繰りに信用金庫を選ぶ

信用金庫は、地域に住んでいる・勤務している人が会員になって、地域社会の発展に預金者の資産を活用する非営利法人です。普通銀行より金利は高めとなるケースもありますが、地域社会の一員である個人事業主にとってはとてもありがたい金融機関です。各信用金庫はそれぞれ融資制度を設けており、融資期間、融資金額もさまざまです。たとえば、商店街に属する商店を対象としたローンや、適正な財務諸表を作成している業者向けのローンなどがあります。融資対象者には、例として業歴2年以上、実質債務超過でない、直近で利益を計上しているといった制約が存在する場合があったり、保証人に1人以上の事業承継者の連帯保証を求めたりする場合もあります。

個人事業主の資金繰りにビジネスローンを選ぶ

ビジネスローンは個人事業主や中小企業を対象にしているローンで、専門会社から銀行、銀行系金融業者、信用金庫、クレジットカード会社などのノンバンクが取り扱っています。銀行や信用金庫の融資に比べて審査が早いのがポイントで、来店せずにオンラインで申し込みができるものも多く、緊急に資金を必要とされる方にはありがたいローンです。

担保と保証人が不要となるケースが多いのもビジネスローンのポイントです。カードローン型のビジネスローンもあり、限度額内であれば提携したATMでの利用ができとても便利です。ビジネスローンとして借り入れる資金の使途は、事業性の範囲内であれば自由に設定できます。たとえば、開業資金や運転資金、仕入れ代金や人件費、事務所の家賃、水道光熱費などの支払いなど多岐にわたります。

審査基準は会社によって異なりますが、業歴は2年以上を必要とする会社が多いですが、中には業歴1年以上で決算書もしくは確定申告書を提出すれば審査に応じてもらえる場合もあります。また業績が赤字であっても黒字転換できる見通しがあれば、融資に応じてもらえる場合もあります。銀行や信用金庫の融資に比べれば金利が若干高めに設定される傾向にあり、融資限度額が1,000万円以下に設定されている場合も少なくありませんが、それ以上の金額が必要ならば、日本政策金融公庫と併用する方法もあります。詳しくは各金融機関のホームページなどを確認し、検討してみましょう。

資金繰りに活用できる金融機関のサービスを比較し、利用を

個人事業主の資金繰りには金融機関の融資、ビジネスローンなどの選択肢があります。自身の事業に合った金融機関を選ぶためにも、比較検討することが大切です。(提供: ビジネスサポーターズオンライン

※当記事は2017年4月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

【オススメ記事 ビジネスサポーターズオンライン】
個人事業主向けのローンは何がある? ビジネスローンのメリット、デメリットまで
ビジネスローンの審査基準とは?
中小企業が知っておくべきクラウド活用
中小企業が日本を変える! 海外展開のススメ
中小企業でのM&A、成功・失敗から学べること