世界中で実用化が着々と進む自動運転車だが、「自動運転車で自動車保険は値上がりするのか?」という議論が持ち上がっている。

ハイテク部品の修繕費用が高くつく点や、運転手とシステムに対する二重の保険が必要になるなど、「事故が減るから保険料も低くなる」という消費者の期待は、少なくとも当面、泡と消えそうだ。

エアバッグの取り換えだけでも45万円?

自動運転車をめぐり、国際自動車メーカーやテクノロジー企業が入り乱れての開発合戦が繰り広げられている近年。

「自動車事故の9割が人為的エラー」というデータに基づき、「安全性の向上」が自動運転車のメリットのひとつとして挙げられることが多い。自動運転車によって事故のリスクが軽減するのであれば、理論上、保険料が値下がりしてもおかしくはない。

しかし現実はそう甘くはないようだ。エアバッグやセンサー、LKAS(レーン・キープ・アシスト・システム)といったハイテク装備な自動運転車が事故を起こした場合、その修繕費用は非常に高くつく。エアバッグひとつをとっても、1000ドルから4000ドル(約11万円から45万円)が相場だ。

つまり自動運転車でなくとも、「ハイテク装備な車=修繕費が高い」という図式から、保険料が跳ね上がる可能性は十分に考えられる。

例えばBSM(ブラインド・スポット・モニタリング)などを搭載したトヨタの新型カムリのテクノロジー・システムは、総額3750ドル(約42万円、nydailynews.comデータ )。これを補償するとなれば、格安保険では限界があるだろう。

バフェット氏「自動運転車は保険会社の脅威」