「ヘッジファンドの帝王」の異名をもつレイ・ダリオ氏が、長期的な経済の展望に対して悲観的であることが、自身の発言から明らかになった。

ダリオ氏を不安におとしいれている3つ要因は、「不穏なまでに穏やかに見える世界経済」「政治的・社会的対立の拡大」「生産性の低下」だ。

主要経済は短期債務サイクルの中盤

レイ・ダリオ,経済,政治
(写真=Thinkstock/Getty Images)

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウオーターアソシエイツを率いるダリオ氏はLinkedInへの寄稿 の中で、3つの不安要素を挙げている。

まずは経済が絶好調のペースに達しているにも関わらず、「今後2年以内に生じうる主要リスクの気配がない」点だ。

ダリオ氏は世界経済を動かす3大原動力を、「一般的な事業や短期的な債務サイクル」「長期的な債務サイクル」「生産性」と定義し、財政政策と金融政策がこれらをコントロールしていると見ている。

現時点では主要経済は短期債務サイクルの中盤にさしかかっており、経済成長率は平均的。2008年の経済危機のような兆候は影も形もなく、総体的には安定しているということになる。

しかし長期的債務サイクルの展望に目を向けると、債務総額の膨張に加え、年金・医療・福祉といった非債務が経済を圧迫している事実が一気に浮上する。中央銀行にはこうした現状を修正する力はない。

過去に例を見ない、経済と世界情勢のアンバランスさ