2016年4月より電力小売が全面自由化された。今まで電力会社を選ぶことが出来なかった中規模以下のマンションやアパートのオーナーにとっては、物件にかかる電気料金を削減し実質利回り(NOI利回り)を上げるチャンスだ。賃貸経営における経費の考え方と、電力会社の切り替えによる経費削減について簡単に解説する。
時間の経過と賃料の関係
不動産投資は債券や株の配当とは異なり、ただ所有さえしていれば安定的に収益が上がるというものではない。不動産賃貸事業の経営といった方がふさわしく、常に空室の募集や入居者からのクレーム対応、経費節減など、経営者として解決していく課題がある。
特に不動産賃貸事業の経営の観点で大切なのが、①空室期間をできるだけ短くすること②高い賃料を維持し続けることだ。というのは、不動産の賃料は、一部例外はあるものの、一般的には時間の経過とともに、建物や建物設備の経年劣化から賃料は下がっていく傾向にある。
諸経費の削減は利益率の向上につながる
物件の収益率を高めるには、大きく分けて、賃料収入を伸ばす方法と物件の運営費用を削減する方法の2つがある。前者は、入居率や賃料などに左右されるので、自分でコントロールすることは難しい。対して後者は、使用する協力業者や対象物件に最適化されたプランを選ぶことによって、少なくとも前者より自分自身の頑張りでコントロールできる範囲が大きい。
新電力に切り替えると物件の運営費用(電気料金)が下がる可能性あり
共用部の電気代はあまり意識されにくいが実は重要だ。なぜなら、入居者が1人でもいる限り共用部の電気は点灯させる必要がある(夜間等は除く)ので、日々の使用量はわずかでも長い目でみると大きな差になる。
前述のように、電力の小売が全面自由化されたことにより、電力会社の競争が激しくなっている。従来の電力会社をはじめ、さまざまな業界から新規に参入し、サービスの向上と価格の低下でしのぎを削っている。一度、現在の電力会社と他の新電力会社と比べてみたいところだ。
また、毎月の基本料金だけではなく、新電力会社によっては、通信費やガスとのセット割引、ポイントが貯まるなどのメリットもある。電力料金の比較も比較的簡単に出来るサイトがあり、試算はそれほど難しいものではない。
経済産業省の資源エネルギー庁によると2017年4月6日時点で、登録小売電気事業者数は390ある。供給先の地域を限定しているところも多いので全てを利用できるわけではないが、選択肢が豊富なのは事実だ。
見えないところにも気をかけるのが優秀な不動産経営者
繰り返すが、不動産投資をするということは、賃貸経営をするということだ。そこには定期的に物件の改修を行って賃料の下落を防ぐ、経費を節減して利益率を高めるなどの経営努力が欠かせない一度、新電力会社への切り替えを検討してみてもいいだろう。(提供: みんなの投資online )
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