5月3日に閉鎖された漫画や書籍の海賊版サイト「Free Books(フリーブックス)」の被害額が、閉鎖までの1カ月で100億円に上ることが分かった。産経新聞が報じている。後を絶たない海賊版の被害に出版業界は頭を悩ませている。

フリーブックスは氷山の一角

著作権,海賊版
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

報道によると、フリーブックスの3月中旬から4月中旬のアクセス数は1750万件とされ、これに基づく被害額は100億円に上ると試算されている。

フリーブックスは2016年12月頃に開設されたと見られ、5万点もの作品が無料で公開されていた。大手出版社を中心に削除要請を行っていたが、次第に応じなくなったという。法的措置の検討に入り、ブルガリア、ウクライナ、オランダの3カ国にサーバーがある事を突き止めた矢先の5月3日、サイトは突然閉鎖された。外部からのサーバー攻撃を受けた可能性もあるとされる。

サイト閉鎖で話が片付いたわけでは無い。サイト再開の不安も付きまとう中、出版社側は損害賠償請求等の法的措置を検討している。警視庁も情報収集を行っているが、運営者の特定は難航する可能性もある。フリーブックスは無料公開されており広告もほとんどない為、運営目的が不明であるといった点も出版業界の不安を煽っている。

サイト利用者の意識にも問題がある。インターネット上ではサイト閉鎖を嘆く声も多く見られ、中にはフリーブックスに代わるサイトを紹介する者までいる。海賊版による被害は後を絶たず、フリーブックスの問題も氷山の一角に過ぎない。

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