羽田発シドニー行きの全日空機に搭乗した英国人男性が、麦などを使わないグルテンフリーの機内食を注文したところ、9時間のバナナが1本のみの提供であったというニュースが世の中を駆け巡った。この報道を受けて全日空が謝罪をする事態にまで発展したが、果たしてバナナ1本というのは事実であったのだろうか。

機内食でバナナ1本は本当か

エアライン,ネットで話題
(写真=Bedrin/Shutterstock.com)

機内食でバナナを1本だけしか提供されなかったと主張したイギリス人男性のニュースは日本のみならずイギリス等海外のメディアからも注目を集めた。確かに9時間のフライトでバナナ1本だけしか機内食として提供されないのは重大な問題であると考えられる。

しかし今回のニュースは実際には誤解や誇張があり、事実とは大きく異なっているようだ。各報道を総合すると、今回の件では9時間という長時間のフライトであったため、全日空では機内食を乗客に2回提供している。実際にこのイギリス人男性も1回目は注文通り提供されたグルテンフリーの機内食を食べたという。

もちろんこの1食目についてはバナナ1本だけでなく、一般的な食事の量だ。しかしこのイギリス人男性はグルテンフリーの食事だけでは満足できず、通常の機内食も持ってくるように頼み、自身が食べられる物だけを選んで食べたという。

2回目の機内食については、他の乗客がサンドイッチなどの軽食を食べる中、報道された様に確かにイギリス人男性にはバナナ1本のみが提供されたのだという。ただし2回目の機内食に関してもイギリス人男性は量が足らなかったのか、1回目の機内食のメインディッシュだけを再注文し、これも食べている。

実際にはバナナ1本だけでなく多くの機内食が提供されていたが、2回目のバナナが1本のみ提供された事実のみが誇張され報道されていったというのがどうやら今回のニュースの真相のようだ。グルテンフリーの機内食や提供時間等、意外と機内食について知られていないこともある。機内食について少し解説しよう。

機内食が出る時間の目安は