LTEへの投資を強化してきたベライゾン

ベライゾン社は長らく通信速度の強化に投資を行っており、自社が提供するLTE通信の質とカバー率は国内最強だと言われてきました。自社もその通信の質に自信を持っていたため、価格競争が起こってもしばらくはそれに参加をせず、2013年の末までは料金を変えない方針を誇示してきました。しかし、ライバルであるAT&Tですら低価格プランを打ち出してしまったため、それに参加せざるをえない状況に巻き込まれているのです。


米通信事業の今後

一気に価格競争の模様を呈してきたアメリカの通信事業ですが、ベライゾン社は今年の1月にインテルのインターネットテレビ(IPTV)を買収することを発表しています。これは同社の高速通信網を使い、次世代のビデオサービス強化を図るためだと言われています。通信料金の安さよりは、自社のインフラを使ったコンテンツ配信等によって差をつけたい意図が読み取れますが、米国は日本とは異なり、まだまだ通話のみを重視する顧客が多い状態です。今後の価格競争がどうなっていくのか注目したいところです。

【参考文献】
米国市場を揺さぶるTモバイル
VerizonがIntelのIPTV事業を買収へ、Q4決算は増収増益

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