15のセルフチェックで見えてくる!
40代を後悔する人としない人の違いはどこにあるのか……。一見、今までの常識では「良いこと」とされていることが、むしろ後悔の原因にもなり得ることが、「THE21」が行なったアンケートや多くの識者へのインタビューから見えてきた。
そこで、以下のテストであなたの「常識」を再確認することで、あなたの「後悔度」と「後悔タイプ」をチェックしてみていただきたい。
チェックA
・30代の頃より残業が減っていない。あるいは増えている
・この3年間、新たに身につけたと言えるようなスキルはない
・最近、周りから注意をされることが少なくなった
・部下や後輩に仕事を任せるより、自分でやったほうが速いと思う
・若い頃と比べ、新事業開発や新規開拓を面倒に思う
Aのチェックが4つ以上のあなたは……
「伸び悩み後悔型」
いつまでも「プレイヤー」として働くほうが楽しいかもしれないが、それだけでは早晩、成長は止まってしまう。気力も体力もある若手にフットワークで勝つのは難しいし、日々刻々と変化する業界の最新事情についていくのもなかなか大変なことだ。その結果、10年後には「時代遅れの人」扱いをされてしまうことも。
チェックB
・5年以上今と同じ部署(仕事)で、今後も異動の予定はない
・自信を持って履歴書に書ける実績や資格が思いつかない
・会社に不満はあるが、転職や退職について具体的に考えたことはない
・やっぱり会社員にとって、「出世」は何よりも重要だと思う
・他社、他業種の友人・知人は数えるほどしかいない
Bのチェックが4つ以上のあなたは……
「キャリア後悔型」
目の前の仕事をこなしているうちに時が経ち、いつの間にか定年間際。そんなある日、突然自分の部門が廃止されたり、会社そのものがなくなってしまったら……。これは決してありえない話ではない。そのときに「どこへ行っても食べていける能力」がないと、一瞬で路頭に迷ってしまうことになる。
チェックC
・趣味と言えるようなものがなく、休日は寝てばかりいる
・健康診断の数値は良くないが、具体的な対策はしていない
・食事や飲みに行くのは同じ会社の人とばかりだ
・常にストレスを感じるが、仕方のないことだと思っている
・家族の予定より、仕事の予定を優先してしまう
Cのチェックが4つ以上のあなたは……
「定年後に後悔型」
仕事はしっかりやりきった。会社でもそれなりのポジションを与えられ、自分でも「いい会社人生だった」と満足して迎えた定年。しかしその直後、自分には何も残っていないことに気づいて愕然とする……。実際、現在の定年世代にはそういう人が少なくない。今から対策をしておかないと、きっと後悔することに。
ベテランだからこそあえて「別の仕事」を
自身のタイプを見て、どう感じただろうか。「すべて当てはまる」という人も、「一部は当てはまる」という人までさまざまだと思うが、どれ一つとして心当たりがない、という人は、むしろ少ないのではないだろうか。
アンケートや識者へのインタビューから、40代を後悔している人、あるいは「このままだと後悔する」という懸念を持つ人には、大きく三つのパターンがあることが見えてきた。
一つは、「伸び悩み」について。「こういう能力を磨いておけばよかった」という「スキル」に対する後悔である。
40代は、プレイヤーとして「ベテラン」と呼ばれる時期。効率的に仕事がこなせるようになる一方、新しいスキルを身につける機会がどうしても減りがちだ。ただ、今持っているたった一つのスキルだけで、今後も生き残るのは難しい。
なるべく残業時間を減らすなどして「勉強」の時間を設けることも必要だが、可能ならば「新事業を立ち上げる」「別部門への異動を願い出る」など、仕事でのチャレンジで新しいスキルを伸ばすことができれば理想だろう。
また、今の中間管理職の多くは、マネージャーである以上にプレイヤーとしての活動が求められる。だからといってマネジメント能力を磨かないと、いつまで経ってもプレイヤーからは脱却できないし、新たな能力を磨く時間も得られない。
つまり「伸び悩み」を後悔しないためには、マネジメント能力の強化と仕事の効率化を図りつつ、新たな分野へのチャレンジをしていく必要があるのだ。
「一本道のキャリア」ではいずれ行き詰まる?
もう一つは、「キャリア」についての後悔だ。ある日突然、今の自分の仕事や会社がなくなるかもしれない時代。そうなってから初めて「自分の市場価値」に気づき、愕然とするのでは遅い。
ここで必要なのは「一本道のキャリアから、複線のキャリア」への意識の切り替えだろう。「会社に貢献し出世を目指す」というキャリアが悪いわけではないが、そういう人も一度、「それとは別のキャリアは考えられないか」を検討してみるといいだろう。
そこで、ぜひやってみていただきたいのが、「自分の能力の棚卸し」だ。
自分は今までどんな仕事をしてきて、どんなスキルを持っているかを改めて書き出してみる。その結果、自分の能力に不安があるようなら、それを伸ばすべく努力をすればいい。転職をする・しないにかかわらず、「会社から出ても使える能力」を得ることは、本業にも必ず役立つ。
「終わった人」にならないために
そして最後に「定年後」に関する後悔だ。「プライベートに対する後悔」と言い換えてもいいだろう。
これはとくに男性に多いが、仕事一辺倒の人生で定年を迎えてしまい、気がつけば何も残っていない。友達もおらず、奥さんからも邪魔者扱い。そうなってから急に趣味を見つけようとしても難しい。
やはり今のうちから「仕事人以外の自分」を作っておくことが重要なのだ。週に一度でもいいので、仕事を早く終わらせて「趣味」の時間を持つこと。それも、できれば複数の人と交流できる趣味がいいだろう。互いに切磋琢磨することで、継続するモチベーションにつながるからだ。
直接的に「仕事に活かせる趣味」である必要は全くないが、趣味による人脈の広がりや広い視野の獲得などは、きっと本業にも活かされることだろう。
また、40代は何かとストレスが多い時期。だからこそ「ストレスマネジメント」が重要だが、趣味や家庭生活の充実はそれに大いに貢献してくれるだけでなく、健康増進にも一役買ってくれるはずだ。
がむしゃらに働くのが悪いわけではないが、この先10年、20年を見据えて、ほんの少しの時間でもいいので「未来」に投資すること。それが40代を後悔しないための第一歩かもしれない。(「THE21」2016年10月号より)
THE21編集部(『 The 21 online 』2017年05月09日公開)
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