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投資の基礎
Written by 谷山歩 78記事

カプコン株価は緩やかに上昇

株投資家が「モンハン最新作」をあまり評価しなかった理由

カプコン <9697> の大人気シリーズ、モンスターハンターの新作『MONSTER HUNTER: WORLD(モンスターハンターワールド)』が2018年の初頭に発売することが決定した。

据え置き型ゲーム機での新作発売は実に9年ぶりということも話題を呼び、カプコンの株価もニュース発表の翌日に大幅上昇を演じるなど、株価にも少なからず影響があった模様だ。

日本のゲーム関連企業には現在株価が絶好調の任天堂や携帯アプリで人気のミクシィなどが存在するが、カプコンも往年のゲームファンにはいまだ根強い支持を受けているようだ。カプコンのここまで業績や事業の足取りを振り返るとともに今後の展開なども考察してみたい。

大人気シリーズを複数持つカプコンの強み

モンスターハンター,カプコン
(画像=Webサイトより)

カプコンはシリーズ化された商品の人気が高い。中でもモンスターハンターシリーズは累計で4000万本の売り上げを誇っている大人気シリーズである。カプコンにはシリーズで人気のタイトルが数多くあり、それが同社の強みとなっている。

ちなみに、カプコンの歴代のゲームソフト売り上げランキングトップ10は以下のようになっている(2017年3月31日現在)。

1 バイオハザード5 / 720万本
2 バイオハザード6 / 680万本
3 ストリートファイター2 / 630万本
4 バイオハザード2 / 496万本
5 モンスターハンターポータブル3rd / 490万本
6 モンスターハンタークロス / 420万本
7 モンスターハンター4G / 410万本
8 モンスターハンター4 / 410万本
9 ストリートファイターⅡターボ / 410万本
10 モンスターハンター 2nd G / 380万本

(カプコンIRページ ミリオンセールスタイトルより抜粋)

ランキングではバイオハザードシリーズの人気にはおよばないものの、モンハンだけでトップテンの中に5本がランクインするなど、その人気の高さがうかがえる。

しかし、業績面や株価から見てみると必ずしも今回の新作で株価業績ともに大幅に伸びるかといえば、必ずしもそうとは言えなさそうだ。

カプコンのここまでの業績を振り返り

ここでカプコンの直近5年分の業績を振り返ってみたい。数値は以下のようになっている。(決算期 売上高 純利益の順番。)

<13.3> 940億円 29億円
<14.3> 1022億円 34億円
<15.3> 642億円 66億円
<16.3> 770億円 77億円
<17.3> 871億円 88億円
カプコンHP 連結損益計算書より)

ここ5年を見ると純利益が安定的に伸びていることがわかる。

しかし、任天堂のように純利益が前年度の数倍に膨れ上がるようなことはなく、カプコンの純利益は約10%?20%程度の伸びを継続しているようだ。業績が安定的といえば聞こえはよいが、株価が反応するような期待感が見えてこないようにも見える。

モンハン新作が業績に与える影響は?

モンハン新作発表の翌日、カプコンの株価は大幅な上昇で始まった。しかし、終わってみれば前日比マイナスで大引けを迎えるなど、新作発表翌日の株価の動きとしては残念な結果に終わったと言える。

株価は基本的には業績を先取りして動くものである。ある材料(ニュース)が業績に多大な影響を与えるだろうと市場が判断すれば、それは好材料となり材料株として上昇を継続していく。期待された材料が実現して、業績に反映されるまで、思惑のみで株価が上がるのである。

つまり、今回のカプコンによるモンハン新作のニュースは残念ながら株式市場はそれほど好材料としてはみなさなかったようだ。本当にビッグなニュースで業績を大幅好転させるものなら、株価はストップ高、買い気配となり終日値がつかない状態になる。

現在ゲーム業界の株価を率先する任天堂の「POKEMON GO」の大ヒットからわかるように、世の中のゲームのトレンドは仮想現実とスマートフォンを活用した「やりやすさ&親しみやすさ」である。

いかにグラフィックが高度なものとなっても、モンハン新作は日本国内でいえばプレイステーション4のみの扱いであり、幅広く売り上げを上げることは難しそうだと判断されたと考えることができる。これまでと同程度の売り上げは見込めても、販売本数を大幅に上昇修正することはないだろうと判断できるのではないだろうか。

株価は緩やかに伸びるも基本的にはレンジを形成

今後は株価急上昇のような局面はなく、上げ下げを繰り返しながら緩やかに上昇をしていく可能性が高い。

ゲーム業界は派手な材料であればあるほど株価が敏感に反応し、割安指標など関係なく資金が流入するテーマ性の高い業界である。

それゆえ今後、カプコンの株価が任天堂に追随するためには、これまで同様据え置き型ゲーム機のファンの心を掴みつつ、新たな新規のファン層を作り出すための施策が重要になってくるのかもしれない。今後のカプコンの事業展開におおいに期待したいところである。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある。

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