築地市場の移転問題でクローズアップされている東京都江東区の豊洲地区は、有明や東雲などと同様、1923年の関東大震災の瓦礫処理で埋め立てられた土地だ。

IHI <7013> に代表されるように、工業を主要産業として発展してきた同地だが、区画整理や大規模な再開発の進行により、現在では中高層の共同住宅や商業施設が林立する近代都市の様相を呈している。ここでは東京商工リサーチ、TSRの調査結果から、この豊洲地区の実像に迫ってみることにしたい。

豊洲地区に多く見られる「職住一体型企業」

豊洲,業種
(写真=PIXTA)

TSRが309万社に上る企業データベースから豊洲に本社を置く804社を抽出、これらを分析した結果、産業別で最も多かったのは44.0%を占めたサービス業他だった。

この内訳を見ると、業種別での最多は経営コンサルタント業やデザイン業などの「専門サービス業」だった。タワーマンションなどの富裕層向け住居が増加しており、専門職の職住一体型の企業が多いものとみられる。

意外と少ない「食料品関連企業」