ITシステムを使って事業を効率化できるのは大企業だけではありません。利用できるシステムは多様化しており、中小企業も導入しやすくなっています。ERP、グループウェア、BIなど、事業に役立つシステムは多くあります。これからは事業規模の大小を問わず、活用していく必要があるといえます。

ERPでリソース管理

(写真=LOVELUCK/Shutterstock.com)
(写真=LOVELUCK/Shutterstock.com)

ERPとは、Enterprise Resources Planningの頭文字をとったもので、経営に必要な資源(リソース)を効率的に管理するシステムのことを指します。

一般的に経営資源は、人・モノ・金に大別できます(これらに情報や不動産などを加える考え方もあります)。これらの情報は人事部・経理部・情報システム部・営業部・物流担当部署など部門横断的に存在しますが、企業規模が大きくなるにつれて、部門間の共有が滞る場合もあります。

ERPは会社資源に関する情報を一元管理することで、経営者が変化を迅速に把握できるようになるシステムです。変化の激しい現代のビジネスにおいては、必須のツールといえます。

ERPのあり方はひとつではありません。人事・販売・財務などの全てを統合するパッケージ型があれば、それぞれ異なるソフトを利用する業務ソフト型などさまざまで、それぞれ一長一短があります。

自社でサーバーを立てる必要のあるものもあれば、インターネットを通じてサービスを受けるクラウドERPもあります。なお、会社規模の大小を問わず、導入可能です。

グループウェアで業務効率化

グループウェアは、内部の情報や作業などを共有するシステムです。イントラネットを活用した社内の共同作業以外にも、インターネットを通じて外部の業者や顧客を打ち合わせに参加することもできます。

さまざまな業務がコンピューターで自動化されていくなか、仕事で求められる創造性の比重は大きくなりつつあります。グループウェアを活用すれば、コミュニケーションを活性化させることができ、集合知から問題解決や新たなアイデアにつながることが考えられます。

効率化という面でもグループウェアの存在感は大きいといえます。メンバー全員が参加するチャットで情報を伝えれば、メールを送ったり電話連絡をしたりする必要もありません。これにより情報伝達のモレを無くすこともできます。

BIで経営判断をスピーディーに

これからの企業はBusiness Intelligence、BIを活用するのがよいでしょう。先ほどのERPで管理しているような経営に関する情報を視覚化し、分析できるシステムのことです。

ビッグデータの解析が企業経営や政策などにおいて重要な位置を占めることは、もはや一部の人の認識ではなくなりました。政府の後押しもあり、データ活用の推進例は多くあります。

企業が持つデータは膨大かつ多岐にわたり、そこから拡販やコスト削減、新商品開発に貢献するヒントが得られます。企業はいかに効率的に、恒常的に行うかが問題ですが、今までの企業経営では経営者と現場の勘とセンスに任されていたため、安定的かつ継続的に利益をあげるのが難しかったのかもしれません。

BIは実測された具体的な数字を瞬時に分析します。結果をもとに判断したり企画を発想したりするのは人間ですが、そこにいたる手間と時間を大幅にカットできます。経営者が現場で考えることも大事ですが、現実的・客観的な数字をもとに、複数の人と共有しながら意見交換するのも必要になってきます。数値化すれば傾向がみやすくなり、トレンドの把握にも役立ちます。

BIにはそれを使うこなす力も必要ですが、各ITベンダーも競争しながら質を高めており、わかりやすいインターフェイスをもったシステムも多く発売されています。

IT活用で効率化

ERPは企業の資源を管理し、グループウェアはコミュケーションを効率化・活性化します。BIは財務や販売などのデータを分析し、将来の予測や経営の改善に役立てることができます。クラウドシステムや技術の発達によって、これらのITシステムを活用することのハードルは下がっているといえます。これからの中小企業経営にとって、ITの活用は重要な位置を占めるでしょう。 (提供:ビジネスサポーターズオンライン)

※当記事は2017年6月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。