2011年3月に発生した、東日本大震災以降、原子力発電のプレゼンスが低くなり、再生可能エネルギーとして、太陽光発電がもてはやされるようになった。

2012年7月に開始した再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(=全量買い取り制度=FIT制度)は、経済産業省の資源エネルギー庁が定める制度で、天然資源の使用を抑えることで、地球温暖化を抑え、海外からの輸入に頼っている化石燃料からの変換を促すことで、自給できる電力を少しでも増やそうとの目的で始まった。

しかし、再生可能エネルギーは、他のエネルギーと比較して、発電コストが高いのが弱点であり、その点を補い、普及を進めるために始めたのが全量買い取り制度だ。つまり、他のエネルギーより高い発電コストを国民みんなでシェアしようというコンセプトである。

この買い取り価格は、再生エネルギー賦課金として、我々電力の消費者から毎月徴収されているお金を充当している。

産業用太陽光発電(10KW以上)買い取り価格の推移は、制度開始の2012年40円、13年36円、14年32円、15年29円、16年24円、17年21円、と下がり続けている。18年のFIT金額は、まだ発表されていないが、21円より低くなることは確実だ。

倒産件数増加の理由と背景

太陽光発電
(写真=PIXTA)

このような状況下で、7月12日に東京商工リサーチが発表した2017年上半期(1-6月)の太陽光発電関連会社の倒産件数は、45件と前年同期の30件から大幅に増加した。

その原因は、太陽光発電の業界自体の売り上げが、当初想定よりあがっていないこと、過去高額なFIT価格の時にこぞってマーケットに参入した販売会社やメーカーが、FIT価格の下落や他の業者との競争激化により、淘汰され始めたこと、経産省が、太陽光に偏重した再生可能エネルギーを他の代替エネルギーにも注力し、バランスをとっていくこと、などが挙げられる。

特に2016年5月の改正再生エネルギー特別措置法が成立し、今年4月1日から全面施行されたことにより、電力会社との未締結の認定は失効し、様子見だった業者のマーケットからの退場がより一層促されることとなった。

では、太陽光発電関連業者が倒産した場合、投資家はどのような影響を被るのだろうか。

販売会社が倒産した場合の影響