他の航空大手各社への影響
JALやANAへの影響はどのようなものになるでしょうか。これらの大手航空会社も現在、為替の円安進行・原油の高止まりによって費用がかさみ、苦しんでおります。今回のスカイマーク社の成田撤退はプラスに働くのでしょうか。実際のところ、プラスの影響は限定的となるでしょう。理由は大きく2つ考えられます。(1)大手航空会社とスカイマーク社は価格設定が異なる、(2)大手航空会社とスカイマーク社の搭乗者数は大きく異なるという2点が挙げられます。これらの2点を加味し、今後の搭乗者数の推移に注目する必要があります。
LCCへの流出と電鉄への影響
そもそもスカイマーク社の搭乗率の減少にはLCCの台頭が挙げられます。運賃の安さを売りに台頭してきた同社はLCCとの競争環境が厳しくなり、シェアを落としています。従ってスカイマーク社の成田撤退の影響を一定程度受けると考えられます。
今回のスカイマーク社の成田空港からの撤退で影響を受ける業界として電鉄が挙げられると思います。というのも、スカイマーク社は安い運賃を売りに今まで搭乗者数を確保してきました。スカイマーク社の成田空港での搭乗者数は約40万人にのぼります。また、運賃は他の大手航空会社よりも安いことを売りにしてきたため、これらの低価格の顧客層の移動需要は一定数電鉄に流れると考えられます。具体的には、新千歳、那覇、米子の3つのうち、那覇は電鉄での移動は難しいですが、新千歳、米子の路線に関しては電鉄需要の増加が見込めるのではないでしょうか。