躍進の余地はあるのか

生命保険のインターネット通販専業会社としてその名前を広めてきたライフネット生命保険ですが、今後、大きく躍進することがあるのかどうかという点については疑問を感じざるを得ません。なぜならば、インターネット通販で生命保険を販売するという形は真似しにくいものではないからです。現にインターネットで生命保険を販売する会社は増えてきています。ライフネット生命保険と同時期にはアクサダイレクト生命がネット通販を行っていますし、2011年から2012年にかけては、オリックス生命、楽天生命、メットライフアリコ生命、損保ジャパンDIY生命、AIG富士生命と次々に参入を果たしています。

インターネット通販での生命保険は割安性を打ち出しており、付帯サービスに大きな差は感じられません。あとは、ライフネット生命保険が開示した付加保険料をどれだけ落としていけるかという価格競争の時代になることが容易に想像できます。消耗戦になる中で大きく躍進をするということは、難しいことではないかと思えるわけです。


投資対象としてどう見るべきか

ライフネット生命保険は東証マザーズに上場していますが、株価はあまり冴えません。上場後には株価が上昇し、2012年3月26日には1,326円という上場来高値を付けましたが、その後はズルズルと株価が下がり続け、2014年8月18日の終値は418円となっています。株主には、三井物産やセブンフィナンシャル・グループ、新生銀行、リクルートホールディングス等が名前を連ねており、スポンサー力に不安はありませんが、赤字が続いていること、2014年4月1日には保険料の値下げを断行したことを考えると、財務内容の改善はすぐには見込めないのではないかと考えられます。

一方、海外企業との提携が進み、海外展開が加速すれば現状を打破することができるかもしれません。しかしながら、安定的な収益基盤が築けたことを確認できるまでは、なかなか手を出しにくい銘柄なのではないでしょうか。短期で投資リターンを得ようとするよりも、中長期で取り組むべき銘柄と言えます。

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