保険の種類と歴史
生命保険は中世ヨーロッパの都市で組織された同業者組合である「ギルド」で始まったともいわれています。この「ギルド」では、仲間同士で仕事で困った時の資金援助や、病気やケガで働けなくなった時や、死んでしまったときの遺族への生活援助などをしていました。一般社団法人日本損害保険代理業協会によると、現在の保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担するものと定義しています。
これは、公営保険と民営保険に分けられます。公営保険は、社会政策または経済政策的理由から実施される保険で、社会保険と産業保険があります。社会保険は、国民健康保険、国民年金、雇用保険、船員保険等になります。産業保険は経済政策として行なわれるもので、農業保険、漁業保険、漁船保険、輸出保険といったものがあります。
民営保険は民間の損害保険会社、生命保険会社が販売している保険です。民営保険のうち、人の生死に関して保険金が支払われる生命保険を「第1分野」、偶然の事故による損害について保険金が支払われる損害保険を「第2分野」、生命保険と損害保険の中間に位置する保険を「第3分野」といい、医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険などがあります。今回は生命保険を中心に、保険の選びかたや注意点などを紹介します。
なぜ、担当者がコロコロ替わるの?
民間保険の担当者、とくに生命保険の担当者がコロコロ変わるので困る、という話はよく聞きますし、ご自身で体験された方も多いでしょう。これは、民間保険会社の職員が簡単に辞めていくからです。このため、会社側でもそれを見越して大量に採用しています。基本的に、生保職員は契約を取らないとまともな給料になりません。基本給は雀の涙ほどで、契約を取った場合のインセンティブで成り立つような仕組みになっているからです。このため、契約がたくさん取れると給料は多額になりますが、取れないと生活ができない程度にしかなりません。しかし、そう簡単に契約が取れるものではなく、人の入れ替わりが激しいのです。逆にずっと担当者が固定されているというほうがまれなのです。
自分にあったうまい保険の選び方
自分にあったうまい保険の選び方としては、自分や家族がいつ、どのくらいのお金に困るかをシミュレーションすることが大切です。そして、保険料や期間を決めていくのです。死亡した場合、病気やケガの場合、老後の生活資金のため、といった「何にどのくらい必要か」ということです。あなたが死亡した場合、残された家族の生活費が必要になります。この金額の目安は、家族の生活費・学費などの「出ていくお金」から、公的保障や企業保障などの「入ってくるお金」を差し引いた金額を考えるといいでしょう。病気・ケガのときは、まずは治療費です。そして、差額ベッド代などの雑費です。この場合、かかる費用からから高額療養費などを差し引いた金額を考えることが重要です。
民間の保険には、死亡保険、医療保険があります。子どもための学資保険もあります。死亡保険は、あなたが死亡した場合、家族に支払われる保険です。医療保険は、高額な医療費がかかる病気やけがをした場合に支払われる保険です。このため、死亡時の支払額は少ないものがほとんどです。学資保険は子供の教育費のための保険です。貯蓄タイプと同じようなタイプで、満期になると金利を付けて返却されます。貯蓄タイプで老後の準備のためには、自分が考える老後の生活に必要な生活費などを概算し、貯蓄や年金などを差し引いた金額から足りない部分を補うという考え方で計算しましょう。また、現在は低金利時代なので、その点も慎重に考えましょう。