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付加保険料を発表したことでその知名度を上げたライフネット生命保険ですが、はたしてインターネット通販専業生命保険会社として躍進はあるのか、投資妙味があるのか、という点を探ってみましょう。


業界を怒らせた保険料内訳開示

生命保険はマイホームの次に高い買い物だと言われています。毎月の保険料が数万円にもなる場合には、最終的には数百万円もの金額を支払うことも十分にあり得ます。「何かあった時の備えに」「入院した時には医療費のことを考えずに治療に専念したい」などといった理由を背景に保険料についてはあまり深く考えず、生命保険に加入されている方も多いのではないでしょうか。そのため、保険料がどのような構成で成り立っているのかということを気にする人も多くなく、また、保険会社からしてみても、収益構造をあえて明かす必要がないために長いことブラックボックスになっていました。

しかし、このブラックボックスにメスを入れた生命保険会社があります。それがライフネット生命保険です。2008年にライフネット生命保険会社が保険料の内訳を開示した際には他の生命保険会社が慌てたほどでした。契約者が付加保険料を比べることで保険商品の割安度を測ることができるようになったのです。このような発表をするライフネット生命について掘り下げてみていきましょう。


インターネット通販に特化

ライフネット生命保険会社の特徴はインターネット通販に特化しているという点です。それまでの生命保険会社の場合、生命保険レディと言った生命保険販売員がおり、この人たちが新規顧客を開拓したり、既存顧客のアップセールスをしたりしていました。しかし、ライフネット生命保険の場合には、このような営業部隊を持たず、インターネット上でのみ収穫を行うことで、コストを極力下げたわけです。安いものを買おうとする場合に、インターネットで価格を調べることが当たり前となった今の時代に馴染む生命保険会社と言えます。

ライフネット生命では大手生命保険会社とは異なり、付帯サービスを付けないことで、他社よりも割安性を打ちだし、若い世代に生命保険に加入してもらおうとしています。また、インターネット通販に特化していることから、インターネット上での加入のしやすさ、情報収集のしやすさを向上させるためにはどうしたらよいのかということも常に考えているようです。


待たれる次の戦略

ライフネット生命保険の契約者の約70%が20代から30代となっています。これは今後のライフネット生命保険においては大きな強みと言えます。なぜならば、この人たちがこれからずっと保険料を支払い続けることを考えると、事業基盤が盤石になっていくことは容易に想像できるからです。いかに若い世代の加入者を増やすことができるのかということが、ライフネット生命保険が飛躍する大きなポイントになるでしょう。

ライフネット生命保険は2013年5月に新中期計画を策定し、その中で「新しい・サービスの提供を通じて生命保険の未来を作り出す『変革者』としてステークホルダーの共感を集め、ネット生命保険№1の持続的成長を実現する」と謳っています。しかしながら、この新中期計画では、そのために具体的にどのような戦略を取るのかということがあまり明確ではないように思えます。2013年9月には韓国への進出を果たしましたが、その後の海外戦略の一手にも注目しておきたところです。