海外旅行中、英国人の45%が「どこの国でも英語が通じると思っている」一方で、56%が「現地語の発音に自信がなく、レストランではメニューを指さして注文する」という。

国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルが、2000人の海外旅行に出かけた英国人を対象に実施した調査 から分かった。

こうした語学スキルあるいは学習意欲の欠落が、「英国の経済や文化成長にネガティブな影響を及ぼしている」と指摘されている。

3割の英国人が「外国語を話すのが怖い」

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

「世界の共通語」といわれる英語の中でも、「クイーンズ・イングリッシュ」を母国語とする英国人だが、母国語以外の語学に関してはかなり奥手のようだ。

80%が「現地語のフレーズをいくつか覚えるのは大切」と自覚しているが、実際に「常に少しは現地語で喋る努力をする」のは37%。29%が「怖すぎて試みるのも無理」答えている。

15%に至っては「現地語での会話を断固拒否するために、英語のメニューのあるレストラン(ファストフードなど)でしか食事をしない」というから驚きだ。地元の美味しい料理を食べる機会を、悉く逃していることになる。せっかくのホリデーの楽しみを半減させている気がする。

何とか英語で押し通そうという努力もなかなかのもので、42%が「ゆっくり、大きな声で英語で話しかける」そうだ。15%による「外国人のアクセントを真似て、英語を話す」という試みも、英国人らしさが滲み出ていて面白い。

日本語は英国にとって重要な言語のひとつ?

しかしこうした「英語は世界の共通語」という意識が、英国人の語学能力を低下させている現状に対し、ブリティッシュ・カウンシルは警告を発している。

同機関は13年、「今後20年に渡り、英国で重要視される言語」というレポートを発表。経済・地理・文化・教育・事業などの観点から、日本語、マンダリン(中国の標準語)、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語などを挙げている。

これらの重要言語を十分に会話できるレベルで理解する英国人は、4000人中わずか25%。一般的な英国の義務教育で学ぶフランス語ですら15%、ドイツ語は6%と惨敗だ。日本語やロシア語、マンダリン、アラビア語は1%。ポルトガル語やトルコ語はそれ以下という結果に。

ブリティッシュ・カウンシルは教育政策立案者に、重要言語を必須科目に組み込むよう呼びかけているが、現時点では本格的な実現段階には至っていない。筆者の友人の子どもが通う小学校では日本語の授業があると聞いたが、まだまだ珍しい部類だろう。

戦略部門のディレクター、ジョン・ウォーン氏は、「政府が重要言語の教育促進に着手しない限り、自国の経済や文化成長は期待できない」と結論付けている。

実際に英国の労働市場では外国語を理解する人材が著しく不足しており、英産業連盟(CBI)の16年の調査か らは、70%の企業が語学スキルを重視しているにも関わらず、語学スキルのある従業員を十分に確保しているのは36%しかないことなども明らかになっている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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