中国のネット企業を代表する2トップ、アリババとテンセントの4~6月の四半期決算が出揃った。絶好調といってもいい内容である。経済ニュースサイト「界面」の解説から両者の現状と今後を探ってみたい。

市場価値でも激しいトップ争い

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(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

決算を分析する前に、8月上旬に株式市場で起こった象徴的な時価総額争いを見てみよう。北京時間8月8日、米国ナスダック市場において、アリババ株は3.59%上昇し、158ドル84セントを記録した。時価総額は4044億ドルに達し、同市場においてアジアの企業として初めて4000億ドルを突破した。

テンセントも黙っていない。8月9日、香港株式市場において329.60香港ドルを付けた。時価総額は3兆1305億香港ドル、米ドル換算で4000億4345万ドルとなり、こちらも香港市場で初の4000億ドルを達成している。

どちらも一歩も引かない壮絶なつばぜり合いである。決着は付くのだろうか。以下四半期決算の内容を見てみよう。

アリババ(阿里巴巴) 営業利益は99%プラス

アリババの2017年4~6月期決算は、売上501億8400万元、前年同期比56%のプラス。営業利益は175億1300万元、こちらは99%のプラスと倍増だった。中核事業(ネット通販)の売上は430億2700万元で、58%のプラスになった。中でもB2Cプラットフォームの天猫は強い成長を持続している。この結果、アリババのネット通販を利用した消費者は4億6600万人、中国総人口の3分の1に達した。月間のアクティブユーザー数は5億2200万人だった。

また越境Eコマースでは、前年同期比36%のプラスだった。東南アジア用サイトLazadaと輸出商品サイトAliExpressの売上が26億3800万元に達し、中国本土以外の消費者も順調に拡大している。

テンセント(謄訊) 営業利益は70%プラス

テンセントの2017年4~6月期決算は、売上566億元、前年同期比58.5%のプラスだった。営業利益は182億元、前年同期比70%のプラスだった。

業績をけん引したのは、スマホゲーム「王者栄耀」である。2015年11月発売の対戦型ゲームで、翌2016年には人気が爆発した。2017年7月には、人民日報の批判に応える形で、テンセントは遊戯制限をかけた。12歳以下では1日1時間以内とし、午後9時以降の利用を禁止した。12歳~未成年に関しても1日2時間に制限した。この規制の発動された7月4日、香港市場のテンセント株は4.13%も下落し、269.2香港ドルを付けた。しかし1カ月後には329.60香港ドルを記録する。「王者栄耀」は発展性の高いゲームで、顧客は長期に保持し続けるため、業績には響かないと判断された。

もう一つの柱SNS「微信」は海外版も含めたアクティブユーザー数が9億6300万に達した。同規模前年比はプラス19.5%である。

テンセントの広告収入は2006年の2億6700万元から、2016年には269億7000万元へ10年で100倍に増加した。しかし総収入に占める割合は18%に過ぎず、ほぼ100%広告収入にたよるFacebookとは違うことを強調している。

争いは金融と全世界へ

以上のように事業内容はまったく異なる両者だが、現在は金融という土俵で正面衝突を繰り返している。最も目立っているのはモバイル決済で、支付宝と微信支付のシェア争いである。先日、支付宝は2018年春を期して、日本人向けサービスに乗り出すと伝えられた。微信支付はどう出るのだろうか。

またテンセント旗下の微衆銀行とアリババ旗下の網商銀行も小口金融を中心に激しく争っている。その他自動車ローンなど、金の動くところ必ず両者の子会社やサイトが顔を出す。

さらにベンチャー融資でも、ライドシェア、シェアサイクル、フードデリバリーサービスなど新業態の成功企業には、必ず両者のどちらかまたは両方が融資を与えている。テンセントは米国のテスラモータースにも出資した。

両者の動向は、米国IT企業大手なみの関心を向けて見守りたいところである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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