中国や米国などで規制当局によるICOや仮想通貨の締めつけが目立つ中、英国の国際シンクタンク、CCEG(市民権センターエンタープライズおよびガバナンス)が、10月1日からICOを開始する 。

価値ある仮想通貨の未来像とインフラの構築に向け、「英国初の規制枠に準拠したICO」で資金を調達することが狙いだ。

2011年に設立されたCCEGは、「非財務および社会価値の移動」に関する研究で世界をリードするシンクタンクだ。無形価値の社会への影響を測定し、「財務的な価値を有さない通貨」を促進することで、将来的には通貨と同等の価値に引き上げる意図がある。

法律、仮想通貨分野の専門家による強力なバックアップ

ICOにあたり、UNブロックチェーンラボの協力を得て「セラティオ・エンタープライズ・ブロックチェーン・プラットフォーム」を立ち上げた。10月1日から30日まで、イーサリアム・ベースの「セラティオ・トークン(SER)」を発行する。

ホワイトペーパーによると、今回のICOは完全に英国の規制の枠組み内で実施され、ブロックチェーンを通して財務価値・非財務価値の両方が初めて記録・取引されることになる。
「英国の規制に100%準拠している」というだけに、専門家によるサポート体制も万全だ。
国際法律事務所エヴァーシェッズ・サザーランドが法律顧問を担当するほか、著名ビットコイン投資家のチャンドラー・グオ氏やブロックチェーンのパイオニア、エリック・グー氏をICO顧問に迎え入れている。

監査はブロックチェーン・コンサル企業サンドブロックス・コンサルティング 、規制アドバイスは仮想通貨コンサル企業コインソルト が受け持つ。

新たなICOエコシステム・モデルに?

ICOは個人投資家から機関投資家まで誰でも利用可能だ。前売り特典を予定しており、アーリーアダプター(初期採用者)は10~50% の割引を受けられる。

支払いはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH/ETC)、ライトコイン(LTC)のほか、ドルやポンド、ユーロなどの全不換通貨で行う。もちろん、KYC(身元確認)やAML(マネーロンダリング対策)も配慮されている。

安全性が確立されてたプラットフォーム上で、参加者がデジタル資産の管理や取引を自由に行えるという環境は非常に魅力だ。

現在セラティオ・プラットフォームには「女性専用コイン(Women’s ’s Coin ) 」「シティコイン(City Coin)」「フェイスコイン(Faith Coin)」など35種類以上の仮想通貨が委託されており、2018年には「セラティオ・アルトコイン」の発行も計画している。

SERはこうしたセラティオ・コミュニティーの、親仮想通貨の役割を果たすと期待されている。長期的な展望からICOや仮想通貨の普及を促進する上で、新たなICOエコシステムの模範となりそうだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

( FinTech online編集部

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