◉女性CEOのランキング入りは少数


今回のランキングの集計では、女性CEOの活躍は残念ながら目立ったものはありませんでした。
対象となった全CEOのうち、 集計された女性の割合はわずか1.9% です。

なお、女性CEOに絞ったランキングは、以下の通りとなります。

①マーガレットC.ホイットマン(米国 eBay)

eBayはネットオークションの世界最大手です。子会社を通して安全なオンライン決済サービスも提供しています。
マーガレット氏は1995年創業の世界的オークションサイトのeBayに、1998年に社長として招聘されました。2008年まで在任し、現在はヒューレッドパッカードのCEOをされています。

②董明珠(中国 珠海格力電器)

珠海格力電器は中国の大手エアコンメーカーです。主な製品は、窓用、床用、スプリットタイプ、移動式タイプ、移動式スプリットタイプ、天井用エアコンなどで、空気清浄機の製造も手掛けます。
CEOの董氏は2001年から現在まで在任しています。

③キャロル・マイルウィッツ(米国 TJXカンパニーズ)

衣料・ホームファッションのディスカウントストアです。米国をはじめ、カナダ、欧州で各種ブランドおよびデザイナー商品の販売を割引小売のコンセプトで展開しています。
CEOのキャロル氏は2007年〜現在まで在任しています。

④鄒麗華(中国 新湖中宝)

新湖中宝は中国の金融・不動産開発会社です。住宅開発・販売のほか、貿易事業、ホテル経営、建設資材製造を手掛けており、金融サービスも取り扱っています。
鄒氏は2006年から2009年までの在任でした。

⑤ヘリアーネ・カネパ(スイス ノベル・バイオケア)

ノベル・バイオケアは、近代歯科インプラントシステムのパイオニアとして、スウェーデンに設立されました。そして現在はスイスに拠点を置く、グローバル・カンパニーです。ちなみに社名は、ノーベル賞で有名なアルフレッド・ノーベルが設立した企業に由来しています。
CEOのヘリアーネ氏は2001年から2007年までの在任でした。

トップ5に米国と中国から2人ずつランクインしていることが目につくと思います。女性の登用が比較的進んでいる米国は理解できなくはないですが、中国から2人という所に意外感を持った方は多いかもしれません。しかし、実は中国という国は非常に女性の幹部やCEOへの抜擢が進んでいる国なのです。ちなみに、中国の一般企業における女性管理職の割合は34%、また企業のCEOの割合も世界平均の8%を大きく上回る19%です。この数字は圧倒的なタイ(45%)に次ぐ世界第2位と、中国は女性が世界でも有数の女性が社会で活躍する国なのです。(※日本は8%で、世界でも最低レベル)


◉日本のCEOは厳しい状況


国内景気の長期低迷という要因もあるのでしょうが、残念ながらランキング内での日本のCEOのポジションも、余り芳しくはないものでした。日本のCEOの平均順位は米国よりも562位下がります。また、TOP100に掲載されたCEOも3名程しかいませんでした。
また、日本のCEOの場合、特に世界ランキングBEST100に入っている方々が、既に引退済みであるというのも気になります。

以下は、BEST100に入った日本のCEOの一覧です。

◯坂根正弘(小松製作所 世界ランク36位)

建機メーカーの大手、小松製作所の坂根氏です。坂根氏時代の小松製作所は、本業の件機の製造・販売に加えて、建機の管理システムなどにも尽力され業績を向上させたといわれています。
在任は2003年から2007年、MBAは持たず内部昇進された方です。

◯神林留雄(NTTデータ 世界ランク49位)

神林氏の在任期間は1995年から1999年です。この期間はインターネットやIT革命が進んだ時期で、NTTデータ等のIT関連企業が大きく伸びた時期でもあります。株価は神林氏の就任時から、退任時には10倍以上にまで値上がりしました。
MBAは持たず内部昇進の方です。

◯勝俣宣夫(丸紅 世界ランク100位)

勝俣氏は2003年から2008年の間丸紅のトップを勤められた方です。5年の間に、毎年丸紅の最高益記録を更新し続けた方でもありました。
MBAは持たず内部昇進の方です。