一般的なCEOは、普段は株主や取締役会などから、短期の業績に対して強いプレッシャーを受けがちです。そして、前回記事 世界の偉大なCEOのベスト10〜長期に成果をあげるCEOの条件とは何か?〜 では、そんな世界各国のCEO達の長期業績の成果によるランキングと、Harvard Business Review内での長期業績の向上へ影響をもたらす要素への分析の概要をお届けしました。

投資を考える上で、長期的に株主へリターンを還元しているCEOというのは、投資家としても非常に魅力的に映ります。今回もこの特集記事を参考に、国や地域ごとのランキングの比較や、またCEOの性別による違いなど、興味深い話題をまとめてお届けします。

【参考】 Harvard Business Review2013年3月号


◉ランキングの集計方法


Harvard Business Reviewの調査では、各国の上場株式指数を参考に、1996年以降から2010年8月31日までの間に就任したCEOを比較・ランキングの対象としています。そしてその人数は、全1862社の3143人となります。

ランキングは、それぞれのCEOの在任期間中における企業の成長性を比較の対象とし、具体的には「任期中のTSR(Total Shareholder Return)=株主総利回り」と「任期中の時価総額の変化」を主な指標として作成されています。
(※TSRは株主価値をあらわす指標で、キャピタルゲインと配当利回りにて求められます。)

ただし、TSRは国家全体の経済成長や産業の景況の影響を大きく受ける指標です。そのため、各企業の所属国別や当該業界別の平均TSRも求め、それぞれを割り引いてランキングの判断材料としています。
また、時価総額の変化はインフレ率の影響も受ける為、これも割り引いて判断材料とされています。