アプリックスの戦略とは

アプリックスは、1986年に創業されました。デジタル家電分野におけるJavaの活用に着目し、組み込みソフトウェアメーカーとしては日本で初めて1996年にSun MicrosystemsよりJavaのライセンスを取得しています。2013年にiOSやAndroid OSに対応するBeaconモジュール「BM1」を発表しました。このBeaconモジュールが同社の主力製品となり、様々なメディアで取り上げられるなど注目を集めているのです。

「BM1」は、既に量産出荷が始まっているBluetooth Low Energyモジュール「JM1-L2S」と同じ部品で作ることにより低価格での提供が可能となり、O2Oや位置情報などの幅広いサービスの新しいソリューションとして、販売開始の発表以来、1000件を超える引き合いがあるといいます。また、乾電池・コイン電池対応型や、センサー付き商品タグ型、ACアダプタ対応型、極薄フィルム型、さらには防塵・防水・難燃性の産業用など、用途に応じたさまざまなタイプを用意しています。

アプリックスの最大の戦略は、人間の介在無しに機器同士がコミュニケーションをして動作するシステム「M2M」市場が急速に拡大していること見据え、Beaconモジュールに戦略を特化したことです。つまり、スマホから様々な機器ワイヤレスで動作させるためのモジュールのニーズ拡大を予測し、それが見事に当たったのです。そしてモジュールの価格は1000円以下という超低価格です。世界最先端の技術を超低価格で提供するということにあるのです。簡単にいうとBeaconモジュールを使えば、低価格であらゆる機器とスマホを繋ぐことができるのです。このため、需要は急増し、月産10万個から月産100万個に増産するという報道もありました。


スマホ周辺機器の参入企業

この分野では、エレコム、ワークスタジオ、ロジック、アイ・オー・データ機器といった企業が参入しています。エレコムはスピーカー、保護フィルム、専用ケースといったアクセサリーで業績を伸ばしています。ワークスタジオは、専用の什器やスタンドを提供しています。ロジックはスマホをカーナビやFM音楽端末に変換するトランスミッターで注目を集めています。アイ・オー・データ機器はポケドラ、ケース・カバー、バッテリー、ケーブル、ACアダプター、GALAXY周辺機器、ニコニコ動画関連といったアクセサリー製品を展開しています。


スマホ同様に周辺機器も市場拡大続くか

今後、スマートフォンやタブレットは、NFC搭載端末の普及やテレビ・生活家電を含めたデジタル製品との連携、さらにはスマートハウスとの連携など、つまりM2Mの分野で様々な可能性がでてくるでしょう。これに伴い、周辺機器市場も、予想外の拡大も考えられます。中でもM2Mの分野向けの製品は、今回取り上げたカテゴリとは別の製品がでてくる可能性も高く、将来性は非常に高いと言えるでしょう。

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