9月最終週の東京株式市場は高値圏での揉み合いとなった。日経平均株価は25日に終値で2万397円58銭となり、年初来高値を更新した。その後は伸び悩んだものの、利益確定の売りをこなしながらも底堅い足取りを示していた。総選挙前ということもあって市場では経済対策への期待感が先行しているようだ。為替市場でも円安が進むなど周囲環境は日本株にプラスに作用しており、目先は底堅い展開が続きそうな情勢だ。

「9月の値上がり率」ランキング

それでは、今回は東証1部の「9月の値上がり率」ランキングを見てみよう。

(1)石川製作所 <6208> 2957円 +88.95%
(2)安永 <7271> 3755円 +85.43%
(3)クロップス <9428> 1431円 +73.04%
(4)チタン工業 <4098> 3550円 +54.35%
(5)オハラ <5218> 2208円 +46.52%
(6)ライクキッズネクスト <6065> 2420円 +45.08%
(7)ペッパーフードサービス <3053> 4740円 +42.13%
(8)サンヨーホームズ <1420> 900円 +41.51%
(9)モリテックスチール <5986> 452円 +40.37%
(10)N・フィールド <6077> 1774円 +39.91%
※銘柄、証券コード、株価、上昇率の順、9月29日現在。

北朝鮮の弾道ミサイル発射・核実験を受けて、防衛関連株の石川製作所がランキング1位となった。また、リチウムイオン電池に関する部材を手掛ける安永、チタン工業などの電気自動車関連株も上位にランクインしている。業種別ではサービス業が2銘柄で、残りは各1銘柄(機械、輸送用機器、情報・通信業、化学、ガラス・土石製品、卸売業、建設、金属製品)と目立った偏りはみられなかった。

クロップス、子会社上場の発表が買い手掛かりに

今回は上記ランキングからクロップス、オハラ、サンヨーホームズの3銘柄を取り上げる。

クロップスは名古屋市に本社を置き、東海地方を地盤とする携帯電話販売会社。人材派遣、ビルメンテナンス業なども手掛ける。

9月21日、クロップスは同社の連結子会社「テンポイノベーション」の東証マザーズ上場が承認されたことを発表した。これを手掛かりにクロップス株は翌22日から27日まで4連騰し、28日には一時的に発表日の終値(21日、863円)の2倍超となる1826円まで上昇した。

ちなみに、クロップスはテンポイノベーションの上場に関するプレスリリースの最後に、自社の業績への影響について「本件募集株式発行及び株式売出しに関して、当社(=クロップス)平成30年3月期連結業績予想数値への影響は軽微である」と明記している。今回の株価上昇は、投資家の期待がやや先行した側面もありそうだ。