「学費が最も高い大学院ランキング」でスタンフォード大学が1位に選ばれた。トップ5はマサチューセッツ工科大学やカリフォルニア工科大学など米国勢が独占し、アジアからはシンガポールの南洋理工大学が10位にランクインした。
ランキングは英国のキャリアサイト「キャリア・ダイレクト」 が、英国の教育機関クアクアレリ・シモンズ(QS)の「世界大学ランキング 2017」に基づいて、各大学院の平均的な年間学費を算出したもの。学費は選択教科によって大きく差がでる。
学費が最も高い大学院10校 (1ポンド=約148円)
10位 南洋理工大学(シンガポール)0.9万ポンド
9位 オックスフォード大学(英国)0.9万〜2.2万ポンド
8位 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL/英国)2万〜2.4万ポンド
7位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)2.8万〜2.9万ポンド
6位 ケンブリッジ大学(英国)2.1万〜2.9万ポンド
5位 ハーバード大学(米国)0.8万〜3.3ポンド
4位 シカゴ大学(米国)3.6万ポンド
3位 カリフォルニア工科大学(米国)3.7万ポンド
2位 マサチューセッツ工科大学(MIT/米国)3.8万ポンド
1位 スタンフォード大学(米国)3.7万〜4万ポンド
平均的な大学費用が最も高い国は英国、日本は世界3位?
上記の学費はあくまで目安である。選択科目のほか、海外留学生であれば為替の変動によっても学費が大きく変わるだろう。
例えば1位のスタンフォード大学でエンジニアリングを学べば年間3.9万ポンドかかるが、ほかの科目は3.7万ポンド前後だ という。またカリフォルニア工科大学のように、大学院によっては年間手数料を上乗せする必要もある。1239ポンド(約18万円)というから結構な金額だ。その一方でマサチューセッツ工科大学のように、大学・大学院の全学部の学費が一律という学校もある。
2017年10月現在、平均的な大学費用が最も高い国は英国(年間0.9万ポンド)。次いで米国(0.7万ポンド)、日本(0.5万ポンド/スチューデント・ローン・カリキュレーターより )。大学院ランキングの上位を米国・英国が独占しているのも不思議ではない。
近年、学資ローン負債が両国で社会問題化しているのも、当然の結果ではないだろうか。年間の学費が平均1000ポンド以下のドイツやイタリア、オーストリア、ベルギー、わずか335ポンドのフランスとは比較にならない。
特に英国では1998年まで大学および大学院教育が無料で提供されていたこと、大学副総長に代表される上層部の高額報酬が問題になっていることなどを 考えると、どうにも腑に落ちない風潮だ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)