今年10月以降、中国のネット金融企業のニューヨーク株式市場への上場が続いている。11月は何と3週連続である。さらにもう1社が上場を目指している。少し安易な印象は否めないが、本当に大丈夫なのだろうか。

2017年ニューヨーク上場の5社

BATJ,中国経済,IPO
(画像=Bart Sadowski / Shutterstock.com)

11月中旬、「楽信集団」は米国証券取引委員会(SEC)に目論見書を提出し、IPO申請をした。今年上場した中国の金融会社では「信而富」「趣店」「和信貸」「拍拍貸」「融360」に続き6社めとなる。「信而富」以外は10月以降に集中している これまでの5社について簡単に紹介しよう。

信而富

4月下旬、NYナスダック市場に上場、資産管理、リスク管理、貸付、P2Pプラットフォームなど。子会社は100を数える。2005年7月創業、本社は上海。

趣店

10月中旬、ニューヨーク市場へ上場、5億人のクレジットカードを持たない人に、最新金融テクノロジーを提供。アリババ系。2014年3月創業。本社は北京。上場初日に時価総額が100億ドルを突破して話題となった。

和信貸

11月上旬(3日)NYナスダック市場へ上場、P2Pプラットフォーム専業では中国初の米国上場。2013年7月創業。本社は北京。

拍拍貸

11月上旬(10日)ニューヨーク市場へ上場、P2Pプラットフォーム。2007年6月創業と、この業態では最も早い。本社は上海。

融360

11月中旬(16日)ニューヨーク市場へ上場。ネット金融の典型企業。最新のネット金融サービスを提供している。2011年10月創業、本社は北京。

みな創業から間もない会社ばかりだ。社歴10年以上の会社は2社である。

楽信集団とは

次に上場を目指す楽信集団とはどんな会社なのだろうか。

楽信集団は2013年8月創業、本社は深セン。ネット通販、ビッグデータ、リスク管理、資産管理、金融提携を通じ、高度なネット金融科学技術集団を目指す。17社のネット金融会社と信用情報を共有、国有四大銀行を含む数十の銀行と提携している。

実務を行うのはグループ会社である。割賦ネット販売の信用を提供する「分期楽」、金融商品を提供する「桔子理財」、小口の金融資産管理を行う「鼎盛資産」の3つがある。

楽信は「鷹目」「虫洞」という名のFinTechプラットフォームの研究開発を行っている。「鷹目」は6000のリスク変数を持ち、1日30万件の処理が可能だ。「分楽期」は審査の98%をこの鷹目に依存している。最短3秒で結果が出るという。顧客は1800万人(2017年6月)。楽信本体は、本当の金融テクノロジーの開発会社なのだ。

今年上場の5社の中では「趣店」に似ている。

不動産バブルよりはよい?

さらに上場予備軍は、いくらでもいる。例えば「和信貸」はP2Pで7位の規模ということからも、それは明らかだ。資金調達、知名度のアップ、国内市場(上海、深セン)はIPO審査が面倒、といったNY上場の理由は誰もが頭に浮かぶ。

恐ろしいのは中国人の金融への意欲である。実業で成功した事業家は、必ず余資を不動産と金融へ回す。実業が下降したときの安全弁というより、ステータスである。不動産は2013年以降、頭打ちとなった。ちょうどこのころから、これら金融会社が急発展を遂げている。そして中国人は金融となると、すばらしく知恵が回る。

一見リスキーとも思えるNY上場ブームだが、不動産バブルに向かいかねないお金を、実体経済に回しているとも言える。あまり気にするようなことではないのかもしれない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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