2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、日本では大きな地震が頻発しています。さらに、2017年は7月に九州北部豪雨が発生、9月には台風18号が全国を縦断し、大きな被害をもたらしました。

自然災害に備えるには火災保険や地震保険に加入しておく必要がありますが、近年の自然災害の増加により保険料は上昇しています。そこで今回は、火災保険と地震保険の賢い選び方をお伝えします。

自然災害には火災保険で備える

insurance
(写真=Panumas Yanuthai/Shutterstock.com)

近年、地球温暖化の影響で大雨や台風、ゲリラ豪雨等による洪水や土砂崩れ等の自然災害の被害は深刻になっています。自宅が自然災害の被害を受けた場合に備えるためには、火災保険が有効です。一般的な火災保険の補償範囲は火災だけでなく、落雷、爆発や破裂、風・雹(ひょう)・雪災、水濡れ、騒じょう、飛来・落下・衝突、盗難、破損など、さまざまな災害を補償するものがあります。

火災保険は幅広いリスクに備えられるようにパッケージ商品になっていることもありますが、必要な補償だけを組み合わせて加入できる商品もあります。一戸建てか、マンションか、また周囲の地形や環境によっても必要な補償は異なります。できるだけ保険料を抑えるためには、複数の商品で補償内容をよく比較し、自分に必要な補償を選んで加入すると良いでしょう。

また、火災保険は、建物と家財それぞれ別に保険金を設定することができますので、適切な金額を設定するようにしましょう。

地震保険は必要?

地震保険は、地震や噴火、また、これらによる津波により被害を受けた場合に保険金が支払われる保険で、火災保険に付帯する形でしか加入することができません。建物と家財、それぞれ別々に加入できますが、地震保険の保険金は、火災保険で設定した保険金額に対して30~50%の割合で設定することになります。また、保険金の上限金額が建物で5,000万円、家財が1,000万円と決まっていますので、あくまでも「生活再建の手助け」としての位置づけとなります。

地震保険は、阪神淡路大震災を機に注目されるようになり、加入件数は年々増加しています。2017年8月末での地震保険の契約件数は1,791万件(2017年8月現在、損害保険料率算出機構集計)、2011年3月11日に発生した東日本大震災で支払われた保険給付金は1兆2,749億円にもなります(日本損害保険協会「過去の地震による高額支払保険金事例」より)。地震保険料は建物の構造と所在地によって決まり、地震の起こりやすいと考えられている地域ほど保険料率が高く設定される仕組みです。

知っておくべき賢い保険の選び方

火災保険や地震保険の保険料は年々高くなっていますので、少しでも保険料を節約するために、1年ごとの加入より長期契約(地震保険は最大5年、火災保険は最大10年)にすると良いでしょう。火災保険の場合は、必要な補償を選択すると良いことは前述しましたが、その際、自治体が発表している防災マップなどで自宅付近がどのような災害を受ける危険性があるかを確認してください。国土交通省ハザードマップポータルサイトでも確認することができます。

水災の被害を受けにくい地域でマンションの高層階に住んでいる方は、火災保険の「水災」を補償から外すと火災保険料を節約できます。

また、地震リスクの高い地域に住んでいる方は地震保険料の負担が大きく、地震保険の加入を迷うかもしれません。いざというときに備え、地震保険が必要と考えるならば、生活再建に必要な最低限の範囲で加入すること、セットで加入している火災保険の免責金額を設定するなど、現在の生活を圧迫しないよう、なるべく保険料を抑えることを検討しましょう。

また、免震建築物割引、耐震等級割引、耐震診断割引、建築年割引の4つの割引制度があり、複数の割引に該当する場合はもっとも割引率が大きいものを1つ適用することになっています。ポイントとしては、なるべく大きい割引を受けられるものを選択すると良いでしょう。(提供:保険見直しonline

【オススメ記事 保険見直しonline】
更新期が来た時の保険の見直し方とは
生命保険を選ぶ際の「掛け捨て型」と「貯蓄型」の決め手とは
持病や手術歴がある場合の保険の見直し方
改正にともなう火災保険の見直し・比較のポイント
人生のビックイベント! 結婚・出産・離婚にまつわる保険の見直し方