リーマン・ブラザーズやロイズバンク・グループなどで30年以上人材開発を担当し 、現在までに1万人以上の面接を行った著名職業指導者バリー・ドレクスレル氏が 伝授する「面接を成功にみちびく12の言葉」とその使い方、「面接で避けたほうがいい7つの言葉」を見てみよう。

いずれも日本企業での面接にも応用できそうな言葉ばかりだ。面接官の心をつかむキーワードを効果的に使っているか、うっかり「禁句」を口にしていないか、参考にしてみるのもいいだろう。

「リーダーシップ、マネージメント」――組織を支える、頼りになる人材であるアピール

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(画像=PIXTA)

例え応募する職務がリーダーシップ(leadership)やマネージメント(management)とは無関係でも、若干あるいはそれ相当の経験があるとアピールするだけで、雇用者に「頼りになる人材」という印象をあたえられる。「リーダー、またはマネージャーとしてチームを率いていた」経験がないのであれば、過去の経験を例に「人をまとめ、引っ張るのが得意」という点を強調するのもよいだろう。

「戦略、計画」――常に計画的かつ戦略的に行動できる

過酷な競争環境を勝ちぬく上で、企業にとっては事業の需要に見合った戦略(strategy)や計画(plan)が必須となる。過去に実行した戦略的計画やその成果で、大きくポイントをかせげるはずだ。自ら戦略を立案したのであれば、なおさら手腕が評価されるだろう。 まったく経験がない場合、どのようなことに対しても「常に計画的かつ戦略的に行動する」という性質をアピールしよう。ドレクスレル氏いわく、雇用者は頭の中であれこれ計算して動ける人材を好む。

「協力」――組織で最大限の成果をだすキーワード

単独で仕事をこなすことが珍しい近年、チームワークや協調性は組織に属する上で重要なキーワードだ。チームワークには互いの短所を補い、長所を高め合うことで、最大限の成果を得るという利点がある。どのような状況でも協調性を忘れず、チームワークを大事にする人材は重宝される。

「異なる部門と組んでプロジェクトを完成させた」と事実を淡々と述べるより、「異なる部門と協力(collaborate)しあい、プロジェクトを完成させた」という方が、チームワークの成功度がより強く伝わる。

「確立」――結果をだした確実性を感じさせる

「確立した(established)」という言葉は重みがあり、次のステップへの移行を強調する。「その戦略を立てた」では、戦略を立てただけで遂行されたとはかぎらず、どことなく中途半端な印象をあたえかねない。「その戦略を確立させた」ならば実際に戦略を遂行し、さらに結果を得たという確実性を感じさせる。

「結果、達成」――組織の利益に直接反映

「結果(results)」「達成した(achieved)」は雇用者が最も反応を示す言葉だという。目標を達成し、結果をだせるかどうかは、組織の利益に直接反映するからだ。

「最終的には~をした」というよりも、「~という結果をだした」「~を達成した」といういい回しを使う方が、より信頼感を得やすい。

「影響力、説得力」――相手に働きかける粘り強さをアピール

影響力(influence))や説得力(persuade)はあらゆるビジネスパーソンに必須のスキルである。例えば営業やサービスセクターであれば顧客になんらかの行動を起こさせ、クリエイターであれば作品にふれた相手の心を揺さぶる。組織内であればチームをひとつにまとめ活性化させる、上司からプロジェクトの承認を得るなど、影響力や説得力が問われる光景は多々見られる。職務への粘り強さを図る物差しにもなる。

影響力や説得力をもってなにかを成し遂げたと面接官に伝えたいのであれば、「この計画を提案し、マネージャーからOKをもらった」「マネージャーに自分の計画を気にいってもらえた」という表現ではインパクトに欠ける。

「マネージメントに許可をもらえるよう働きかけた」「マネージャーを説得した」と、そこにたどり着くまでの努力や時間をさり気なくアピールしてみよう。

「提案、推薦」――影響力・説得力を具体化できる能力

前述した「影響力・説得力」とも共通するが、「この方法でアプローチするよう、マネージャーに提案した」などより具体的に自らの提案(suggest)や推薦(recommend)を強調した方が、「自分の意思でプロジェクトの計画を練り上げ、上司を説き伏せた」という臨場感が伝わりやすい(CNBC2018年2月1日付記事 )。

「面接で避けたほう方がいい7つの言葉」 ワークライフ・バランスは禁句?

それでは逆に「面接で使わない方がいい言葉」はあるのだろうか。ドレクスレル氏は「完璧主義者(perfectionist)」「ワークライフ・バランス(work life balance)」「心地いい(comfortable)」「好き(like)」「楽しむ(enjoy)」「~した方がいい(you should」「~しない方がいい(you shouldn't)」などを挙げている。

「完璧主義=チームワークには不向き」という印象をあたえかねないので納得できる。「ワークライフ・バランス」や「心地よさ」を重視する企業も増えていると考えると、ドレクスレル氏の警告はやや意外にも感じる。しかし同氏はそうした新たな風潮を「単なるポーズ」とし、企業が「働きやすい職場」を強調するのは優秀な人材を確保する手段のひとつに過ぎず、「結局はくたくたになるまで働いてもらうことを望んでいる」と冷静に分析している。

「好き」「楽しい」に関しては、例えば応募の動機を質問された際、「分析の仕事が好きだから」「デザインするのが楽しいので」という返答では弱すぎる。「分析の仕事は好きだが、腕は悪い」「デザインは楽しいがセンスが今ひとつ」といったケースも珍しくなく、結局は「無意味な言葉」として受けとめられる。

「~した方がいい、しない方がいい」は単なる個人的な見解に過ぎない。特に応募先の印象やどのように自分が貢献できるか尋ねられ、「こうした方がいい、これはやめた方がいい」などと個人的な意見をならべたてるのは、雇用を検討する側にとっては否定的にしか聞こえないそうだ(CNBC2018年1月30日付記事)。

これらのキーワードが面接の合否を決定づけるものではないだろうが、「面接がうまくいかない、自信がない」と悩んでいるのならば、一度試してみて損はないはずだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)