節約や日々の貯金に加え、買物や旅行である程度種銭を捻出することにできたら、いよいよ投資が始められる。今回はJACK氏が教える具体的な銘柄の選定方法を見ていこう。

(本記事は、JACK氏の著書『小心者が手堅く殖やす10万円からはじめる株』=総合科学出版、2018年2月26日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

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初心者が手堅く殖やす10万円からはじめる株
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

どのような銘柄がいいのか

初心者が手堅く殖やす10万円からはじめる株
(画像=Foxy burrow/shutterstock.com)

パフォーマンスを比較するにあたって、具体的な銘柄ではなく、まずはとにかく株価が10万円以下というフィルターで選ぶのが地合いの鉄則であります。

ちなみにここ最近は、全ての株価によってパフォーマンスがプラスの成績となっておりますが、過去には10万円以下の銘柄だけがプラスのときもありましたから、優位性から、とにかく株価が今現在、10万円以下、もしくは10万円以下に株価が下がってから購入するというスタンスになります。

しかしながら、株価が10万円以下の銘柄は、億万長者でもない限り、全ての銘柄を購入することはできません。この中から選別することにいたします。

その選別方法は、ずばり配当利回りが5%を超える銘柄になります。

なぜに5%というか、仮にその株を2年保有すれば、単純計算で10%、4年保有すれば20%の利益となります(税金等除く)からその保有期間で10%あるいは20%の値下がりがあったとしても、資産は減らずに損失にはなりません。

つまり、ざっくり4年で20%超える株価の下落がない限り、ある意味問題はありません。

25%や30%の値下がりがあって、初めて、それなりの(苦笑)ダメージを受けることになります。

現実問題、統計はとっておりませんが、私自身の体感的には、わかりやすく言えば、10万円で買った株が8万円になることはありますが、7万円とか6万円になる可能性は、100万円で買った株が90万円になり、70万円とか60万円になる可能性より、はるかに低いと感じていることから、同じ100万円の株を購入するなら、10万円の株を10銘柄、購入した方がリスクは低いと判断しております。

ただし、ここで問題があるのは、ここで配当利回りが5%以上ある銘柄がどれくらいあるかという点になります。

そこで、ここでは楽天証券のスーパースクリーナーを使って、簡単に調べることができます。

はじめに今、現在購入できる投資資金を10万円以下に設定し、後は配当利回りをソートするだけであります。

驚くべきことにわずか5銘柄しかなく、4.5%以上に妥協したとしても8銘柄しかありません。(※2017年12月29日時点)このあたりは、ここ数年の株高を物語っていると思います。

正直な話、アベノミクス相場が始まる前、あるいはわかりやすくリーマンショック時には、5%以上の銘柄はゴロゴロありました。

もちろん、この銘柄を黙って選ぶという選択肢もありませんが、この配当が将来永遠に保証されるものではありませんし、銘柄数的にも寂しいのではないかと思います。

ですから、ここで配当以外に、日本株特有の株主優待に着目します。

ちなみに、私は米国、中国、ベトナムなどの外国企業の株式も保有しておりますが、株主優待を頂いた記憶はありません。外国では、株主に対する利益の還元は配当で行うということが原則となっていますので、株主優待というのは日本独特の制度と考えて良いと思います。

一般的に日本企業が株主優待制度を導入する目的としては、知名度をひろげるための宣伝や上場基準に抵触しないように一定の株主数の確保するため、そして何より、株価対策というものが第一にあると言われています。

以上のことから、配当利回りと株主優待利回りと合わせて5%以上ある銘柄にスポットを当てます。

このあたりは、同じタイミングで配当が無配になり、株主優待も廃止になることは、よほどの業績悪化でもない限り、考えられないところから判断しております。

会社四季報を使う

業績悪化の判断については、会社四季報を活用します。

著書の『サラリーマンの月収をらくらく20万円増やす方法」に会社四季報の使いかた見方については掲載しておりますが、経常利益の数字に着目します。

ちなみに「経常」という字の如く、毎期繰り返す事業活動の結果の利益になりますから、営業利益の本業の業績のみの数値ではなくて、資産運用での受取利息や借入金の支払利息なども考慮した数値になっております。

ですから、経常利益が赤字なのに当期純利益が黒字となるケースであれば、本業の業績は赤字であるが、本業以外での土地の売買による臨時収益が発生して黒字になっているというカラクリになります。

また、逆に経常利益が黒字であれば、当期純利益が赤字となっていても、その企業の本来の業績については黒字でありますから、次年度以降は当期純利益も黒字になってくる可能性が高いという読み込みもできます。

ですから、少なくとも直近の経常利益が黒字であり、次年度以降も10%上アップの経常利益の予想が見込まれれば投資価値は十分にあると思っております。

JACK
個人投資家。バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)を中心に2億円近くまでの資産を稼ぐ。株式投資を主戦場としつつもFX投資や不動産投資にも参戦している。「日本証券新聞」にて月1コラム連載。