昨日の海外時間には、カーニーBOE(英中銀)総裁が「来月の利上げは既定路線ではない」と述べたことからポンドが急落しました。一方ドル円は、海外時間には小動きが続きましたが、東京時間にはいって上昇しています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日の海外時間は、日米首脳会談という大きなイベントを通過してドル円は動意のない展開となりましたが、カーニーBOE総裁が「向こう数年間に数回の利上げが実施されるとの心構えが必要だ」とした一方「来月の利上げは既定路線ではない」と述べたことからポンドが18日に続いて急落しました。その結果ポンド円は18日の高値153.60円台から約2円50銭の下落となっています。しかし日足チャートを見ると150.80円付近には抵抗帯(雲)の上限があり、また3月の安値からの上昇トレンドラインも150.60円付近に位置していることから、ここから一段の下落は押し目買いの機会と考えられます。

ポンド円の押し目買い好機

昨日再度作った107.30円のドル買い円売りポジションは、コスト付近でのもみ合いが長くなったことから107.40円で損切りしました。先ほど書いたように、ポンド円は急落しているものの、ここからの下落は押し目買いの好機と考え、日足抵抗帯(雲)上限の150.80円付近で下げ渋るようならポンド買い円売りのポジションを作ります。損切りラインはトレンドライン割れの150.30円です。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤ドル売りが優勢となって、ドル円は107.20円台まで下落し、ユーロドルは1.2400付近まで上昇しました。しかしドル売りは続かず、ドル円は107.40円台まで反発し、ユーロドルは1.2350台まで、ユーロ円は132.70円付近まで下落しました。

NY時間午前にかけて各通貨ペアとも小動きが続きましたが、米長期金利が上昇を始めると対ユーロなどでドル買いが強まってユーロドルは1.2320台まで下落しましたが、各国株価が下落したことから円買いも強まってドル円は小動きが続き、ユーロ円は132.40円台まで下落しました。その後カーニーBOE総裁が「来月の利上げは既定路線ではない」と述べたことからポンドが急落し、ポンドドルは1.4200付近から1.4060台まで、ポンド円は152.30円台から151.00円台まで下落しました。

東京時間にはいってからは、特段の新規材料がない中円売りが強まってドル円は107.70円台まで上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には独・3月生産者物価指数の発表があるほか、エバンズ・米シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp