資産運用というと、株式の売買や不動産投資など難しくて面倒くさいというイメージはないでしょうか。日ごろから忙しく仕事をしている会社員だと、資産運用に取り組む余裕がないかもしれません。今回は、忙しい会社員でもできる資産運用の取り組み方として、「ルール決め」と「放置」の2つを軸にした積立投資を紹介します。
「積立投資で年2回リバランス」が会社員向き
よほどトレードが好きな人を除けば、資産運用のために毎日何度も株価をチェックしなければならないような投資は避けるべきでしょう。具体的には、デイトレードのように繊細な株価の動きを見て売り買いを繰り返す運用方法がそれに当たります。日中に働いている会社員であれば、仕事への集中力を保つためにも、株価をチェックせずに済む方法を模索するべきです。
そう考えると、積立投資が会社員には向いているでしょう。積立投資は、定期的に「一定の金額」「一定の数量」の買い付けを行う投資方法です。最近では、金融機関のホームページから買い付ける商品と頻度や数量・金額を指定するだけで、後は自動的に買い付けを続けてくれるようになっています。また、2018年から開始された「つみたてNISA」を活用すれば、運用益に税金がかからないという有利な形で積立投資が可能です。
一般的に、運用するに際してはポートフォリオやアセットアロケーションを考えます。「国内株式は全体の20%」「国内債券は全体の30%」など、「どの商品がどれくらいの割合になるのか」を決めるものです。ただし、株価の上下動によって、割合が大きくずれることもあります。その場合は「リバランス」という微調整を行い、最初に決めた配分が変わらないようにしましょう。
リバランスの頻度はそれほど多くなくてよいので、「ボーナスの期間に合わせて年2回」など、決めておくと良いでしょう。リバランスするには追加の買い付けが必要なので、現金が増えるボーナスの時期にするのがおすすめです。
決めた投資ルールを破らないこと
資産運用で大事なことは、「最初にルールを決めること」「そのルールを簡単には破らないこと」です。積立投資の場合の「ルール」とは、「どんな商品をどれくらいの頻度でいくら買い付けるのか」が中心となるでしょう。加えて、自分のポートフォリオやリバランスのルールも考えておくと、後で頭を使うことがなくなり資産管理がシンプルになります。
たとえば、「日本株式の割合は25%」「30%を超えたら25%まで下げるように売却」「20%を下回ったら25%まで上げるように購入」のように決めます。こうしたルールを自分の部屋に貼っておくなどして見えるようにすると、ルールを忘れずに済むでしょう。ルールを決めること以上に大変なのが、ルールを守って積立投資を「放置」することです。
日常生活において、どうしても相場に関する情報が入ってきますから、大きな変動を前に動きたくなってしまいます。特に下げ相場のときに焦って売却したくなる気持ちをこらえて、こつこつと積立投資を続けるようにした方が、長い目で見ると資産を大きく育てやすいです。
まずは本業に集中して収入アップ!
積立投資を放置するには、あまり相場情報を気にしないで日々を過ごすことに他なりません。情報を気にして生活に支障を来すよりも、むしろ本業に集中した方が安定して積立投資を継続できるでしょう。また、本業に集中して収入を上げた方が、結果として資産運用にも良い効果をもたらします。運用する資産が大きければ大きいほど、もたらされる配当金や利息が高くなる傾向です。
100万円を年利3%で運用しても利息は3万円に過ぎませんが、仮に1億円を3%で運用できれば300万円に達します。小さな運用資産を気にするくらいなら、収入を高めて運用に回せるお金を増やすことに注力した方が効率的なのです。もちろん、積立投資なら月に数百円から取り組むことができますから、収入の低いうちからでもおすすめです。
就職したら、給料のうち少しでも貯金に回し、ある程度運用のための種銭が貯まったら積立投資(つみたてNISAなど)を開始します。ルールを最初に決めた後は、年2回のリバランスのタイミングで資産の増え方をチェックするくらいで、後は仕事に集中しましょう。こうやって資産が増えていけば、単純な積立投資以外に機を見て株式を購入したり、不動産投資に取り組んだりと、資産運用の幅が広がります。まずは「ルール決め」と「放置」で、資産運用の習慣を身につけましょう。(提供:Incomepress )
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