「外資系ファンド」と一口に言っても様々なタイプがある。そのひとつに「物言う株主(アクティビスト)」がある。日本ではダニエル・ローブ氏が有名だろう。企業の大株主になって経営に口出しをするため、企業側はその対応を迫られることも多い。

直近では、富士フイルムホールディングスによるゼロックスの買収提案に対して、著名投資家カール・アイカーン氏が異議を申し立て、富士フイルムとの対決が話題になっている。

このような資本主義の戦いをリアルに感じることができるのが、テレビ朝日系列で放送されている木曜ドラマ『ハゲタカ』だ。2018年8月2日(木)午後9:00より放送される第3話のみどころを紹介していこう。

ハゲタカ
©テレビ朝日

第3話の見どころ

玉石混淆の企業を見抜き、債権処理で多くの実績を上げる買収者・鷲津政彦(綾野剛)の活躍を描いたのが木曜ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日)だ。

父・重久(利重剛)に代わり、日光みやびホテルの新社長に就任した松平貴子(沢尻エリカ)。彼女のもとに現れた鷲津は、自らが率いる外資系ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」が、日光みやびホテルを買収することを宣言する。

地元の取引銀行からは債権と株式を、行方をくらましている珠香(木南晴夏)の夫・寿(池田良)の持ち株も秘密裏に手に入れていたホライズンに、貴子も、その場に居合わせた芝野健夫(渡部篤郎)もがく然とする。しかし、そんな貴子に、鷲津は「このホテルを手に入れようとしているのは、奪うためでも壊すためでもない」と話す。鷲津の真意を問う貴子だったが、鷲津は逆に「我々の買収に対抗するのなら、覚悟を示してほしい」とだけ伝えるのだった。

ハゲタカ
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そんな中、三葉銀行は常務取締役の飯島亮介(小林薫)の陣頭指揮のもと、地方と企業を支援するプロジェクト『三葉ふるさとファンド』を設立することに。その第一候補として日光・鬼怒川が挙がり、日光みやびホテルもファンドの支援を受けられる見通しとなった。鷲津による買収を回避できたかに思えたが『三葉ふるさとファンド』の本来の目的を知った芝野は複雑な思いを抱いていた。
 さらに、『三葉ふるさとファンド』の動きを知った鷲津は飯島に会い、牽制の意味を込めて、ある揺さぶりをかける。やがて、鷲津が日光みやびホテル、そして三葉銀行に近づいた本当の理由も明らかになっていく…。

ハゲタカ
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鷲津の真意はいかに

「物言う株主(アクティビスト)」とは、投資先の企業経営に積極的に意見を出す株主のことだ。株主総会で自分の考えを伝えたり、または自分の好む役員を派遣したりすることもある。そうやって経営改革を行い、企業価値(株価)を向上させ、高値になった時点で保有株式を売り抜ける投資手法だ。

物言う株主には2つの種類がある。一つが経営改革の要求を舞台裏で交渉する「穏健派」、もう一つがローブ氏やアイカーン氏のように経営陣と真正面から意見対立し、ときには株主総会での委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)をも辞さない「強硬派」だ。

元々、建設的な対話とアクティビスト活動は紙一重の違いだ。穏健派はアクティビストと呼ばれることを嫌い、エンゲージメントファンドやガバナンスファンドと呼んで欲しいと言うこともある。鷲津は一体どちらなのだろうか。ドラマの続きから目が離せない。(ZUU online 編集部)